2021年F1第14戦イタリアGPは、スプリント予選でフェルスタッペンが2位、決勝レースでペレスが5位、他3台がリタイアと言うなんとも寂しい結果となった。
スピード面ではハイレーキによるドラッグが足枷となったのか? ターンイン時の不安定さと高速コーナーの弱さが露呈していた。
イタリアGP予選タイム差+0.411秒
POS | ドライバー | F | T1 | S1 | S2 | T11 | S3 | タイム | Gap | Q | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | BOT | 314 | 338 | 26.680 | 26.522 | 330 | 26.353 | 1:19.555 | 3 | C4 | |
322 | 331 | 314 | |||||||||
2 | HAM | 314 | 337 | 26.734 | 26.607 | 331 | 26.310 | 1:19.651 | 0.096 | 3 | C4 |
322 | 329 | 314 | |||||||||
3 | VER | 315 | 335 | 26.862 | 26.703 | 332 | 26.401 | 1:19.966 | 0.411 | 3 | C4 |
321 | 331 | 313 | |||||||||
5 | RIC | 316 | 338 | 26.775 | 26.920 | 332 | 26.300 | 1.19.995 | 0.440 | 3 | C4 |
324 | 332 | 314 | |||||||||
6 | GAS | 310 | 332 | 27.028 | 26.614 | 321 | 26.618 | 1:20.260 | 0.705 | 3 | C4 |
312 | 328 | 309 | |||||||||
7 | SAI | 307 | 334 | 27.006 | 26.869 | 324 | 26.587 | 1:20.462 | 0.907 | 3 | C4 |
316 | 331 | 304 |
全開区間が多いセクター1,3が遅いレッドブル、パワーとドラッグのトータルでメルセデスに負けています。そしてセクター2でも負けていて、どうしようも無い感じ。
タイムを出すためにはトウが必要、しかしトウの中だと安定しないレッドブルと言った印象でした。
ガスリーはセクター2ではハミルトンと同等なタイム、DRSが無いセクター1の通過速度、ターン11直前速度、フィニッシュライン速度を見ると、ダウンフォースが多めだった事がわかります。
反対にマクラーレンは、DRSの無いところでのスピードが高く、ダウンフォースをかなり削っています。ホームストレートで抜かれないため、もしくは抜くためにセクター3を速く走るためのセッティングだった。
メルセデスPUは、ステアリング抵抗の多いところでフルパワーを設定、ターン3やパラボリカの立ち上がりに重点を置いている。そのためにストレートエンドではあえてMGU-Kをカットしている。
ウィングダウンフォースを削っているためにブレーキングスタビリティが悪いレッドブル、ローダウンフォースサーキットでバランスが前よりになりすぎるビックブレーキは苦手分野なのかな。
イタリアGP決勝タイム差+8.723秒
ボッタスから譲られたポールスタート、フェルスタッペンはスタートを失敗してしまう。
アルファタウリは、修復したガスリーのマシンに問題発生、ピットスタートしてはみたが走れないと判断しリタイア、角田はピットスタートすら出来ずにリタイア。
立て続けに起こったホンダ勢への暗雲。いやーな雰囲気で始まったレースだった。
ラップタイムでは速いフェルスタッペンだが、マクラーレンはストレートが異様に速い。
スプリントではメルセデスを抑えきれる速さを見せていて、5秒以内トウがあるからだと思っていた。しかしフレッシュエアーの単独でも速く、フェルスタッペンは全く近寄れなった。
1秒ぐらいの間隔で走り続ける、やばいなぁっと思っていたら案の定タイヤはボロボロになっていった。スプリントではボッタスの後方2秒ぐらいだったから良かったが、それ以上は長く居たらだめ、レッドブルはこの状態で特に空力が機能しなくなる。
アンダーカットしか手はないが、後ろの間隔が広がらなくスペースが無かった。
Lap23:先にリカルドが6位サインツと7位ストロールの間を狙ってピットイン。
Lap24:レッドブルもフェルスタッペンを迎え入れるが、長いピットストップ11.1秒で大きくタイムロス。
ホイールガンの自動センサーが使用禁止になり、右フロントの終了ボタンを押し忘れた事が原因だった。
Lap26:フェルスタッペンに26秒差あったハミルトンがピットへ入る。そしてピットアウト後ターン1、最速ラップで走ってきたフェルスタッペンと交錯してグラベルトラップへコースアウト、2台ともリタイア。
フェルスタッペンのマシンがハミルトンの頭付近へ当たりあわや大惨事なクラッシュだった。
実際リアタイヤが上からハミルトンの頭を押している。
とにかくハミルトンが無事で良かった。
ターンインし始めた時点では、ハミルトンが完全に前であり、このターン1.2はハミルトンに優先権がある。
アウトから入ったフェルスタッペン、温まったタイヤのグリップ力とピットアウト後のグリップ力の差もあり、ターンイン中に車身の7,8割並んでしまっている。
この勢いがフェルスタッペンに行けると錯覚させてしまったのだろうか・・。
このインシデントは、フェルスタッペンに責任があり、次戦3グリッド降格で済んだとも言えるかな。
しかし、あんな風に重なったマシンがあるのにSCで終わらせるとは驚いた、赤旗レベルだったと思う。
一人生き残ったペレス、レース再開時には4位。
前にはフェラーリのルクレール、ターン4でアウトから仕掛けエイペックスをジャンプして抜いてしまった。
3位にはなったが+5秒ペナルティ貰う、タイム差で6位サインツの後ろになりそうなところサインツのペースが悪くなり、3位チェッカー+5秒で5位になった。
まとめ
フェルスタッペンのスタートミス、ピットのミス、そして引けないクラッシュリタイア。
リカルドやノリスに前を抑えられた事を想定した戦略も無く、ただただ攻め続けたファーストスティント。
レッドブルの戦略は、リスク想定が甘すぎると思っていたが、苦手な超高速コースでその全てをさらけ出してしまった感じ。
タイヤを労りエネルギーを貯めつつ機会を伺う、ピットからそんな指示を期待しつつ見ていましたが、いつまでもDRS圏内で走る姿にはこれはダメだと言う考えしか浮かばなかった。
タイヤへの不満を無線で言い出した20周手前、ちょうど20周すぎてストロールの前に入れるチャンスが出来た。
あわよくばサインツもと欲を出したのかリカルドに先を越された時点で、勝利は手元から去っていた。
そしてあのターン1の突っ込みはやりすぎだった。
チャンピオンになるために生き残る、そこをもう少し考えないとならないと思う。
開幕から続く二人のバトル、最高に面白いシーズン、完全なタイヤ差とスピード差がある時はお互い引いている。
同じような状況になると、フェアバトルが無いところがどうにもならない感じ。
今後もこんなバトルが続くと思うと気が滅入るが、ホンダのラストチャンス、マックスしか頼れる存在がいない。
彼は今後も我が道を行くだろう、チャンピオンはそんな人にしかなれないものですからね。
何にしてもレッドブルのマシン、モンツァはダメってことがよーくわかったGPでした。
あのタイヤ交換ミスは、自動ボタン禁止の影響だったんですね。
技術指令にそって当然ながら何度も練習していても起こるんだな~
マックスは無理にトップチェッカーじゃなくても良いレースでした。
ハミルトンもノリス攻略に手こずってましたし、抜きはしたけどその直後にタイヤ交換してます。
仮にマックスが2番手ハミルトンが3番手でコースに戻ったとしても、マックスを抜くまでにハミルトンのタイヤも痛むし、そのタイヤでリカルドを抜けたか?
恐らく無理だったと思います。
それなのに欲かいた結果があれではね。
本当にレッドブルはリスクマネジメントがイマイチ。
そう言えばガスリーの不具合は、車体側へのPU取り付け不良だったそうです。
これってホンダのミス?アルファタウリのミス?
アルファタウリだとしたら来年からレッドブルパワートレインズで大丈夫なのかな?
基本的にマシンへのインストールはチームメカニックの仕事でしょうね。
フィエンツェのチームにはたまーにあるミスですよ。
F1チームにしてはチェック機能がしっかりしてなくて、なんだかなぁ。
とりまく状況が違うのは判っているけど、セナ・プロの鈴鹿のシケインがフラッシュバック。
前フリあっての今回かもしれないけど、なんか残りのシーズンがちょっと心配・・・。
今回は残念でしたが、何だかんだあと7戦か8戦しかないんですよね。。。
クリーンなレースを見たいものです。
ちなみにサーキット別の相性はどんなもんでしょう。レッドブル寄りが多い気も。
トルコは気温/路温が低くなりそうなのでメルセデスは厳しいと予想。
サウジアラビアはメルセデス寄りですかね。長い全開区間あるので。
ロシア(ソチ) – メルセデス
トルコ(イスタンブール) – レッドブル
アメリカ(COTA) – 互角
メキシコ(エルマノス) – レッドブル
ブラジル(インテルラゴス) – レッドブル
サウジアラビア(ジッタ) – メルセデス?
アブダビ(ヤスマリーナ) – レッドブル
2019年、2020年ハミルトンの勝利数は、全試合の半分以上(勝率50%)マークしていた。
今シーズン、まだ4勝しかしていない(2位フィニッシュが多い)
今シーズン、1戦減って22戦と見なして半分の11勝がボーダーラインと仮定すると残り7回以上勝たないといけない計算になる。
マックスが7勝して後4回勝てば(それ以外の4戦は、2位フィニッシュで取りこぼし無しと言う条件で)
レース展開によっては、アゼルバイジャンでのペレスやハンガリーでのオコン、今回イタリアでのリカルドなどマックスとハミルトン以外のウィナーが出る可能性も充分ある。
残り7、8戦であるが中南米のメキシコと南米のブラジルの開催は、
本当に大丈夫か心配です(コロンビアでの新型変異株ウィルス影響で)
※お詫び※
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オーバーレイ広告って言うんですが、これムカつきますよね、止めました。
I thought this was the best comment on the Italian-GP racing incident.
Italian-GP レーシング・インシデント(Max Verstappen選手 & Lewis Hamilton選手)について, このコメントが最適解だと私は思います.
From Formula 1 MD. Ross Brawn column:寄稿
“Fans will be split, I’m sure. It’s clear both drivers could have avoided it.
ファンは分裂するだろう。どちらのドライバーもそれを避けることができたのは明らかだ.
Ultimately I think it’s another consequence of two guys going head to head and not wanting to give inch.
結局のところ, それは二人の男が真っ向から対決し, 譲歩したくないというもう一つの結果だと思う.
It’s a shame they ended up in the gravel
彼らが砂利道に落ちたのは残念なことです,
because it could have shaped up to be a great race – and we were deprived of that.
なぜなら, それが偉大なレースに発展する可能性があったからです- 我々はそれを奪われました.
I hope the championship is won on the track not in the barriers or the stewards room.
トラック上でChampionship;優勝を決定して欲しい. トラックの外 や レース管理室ではなく.”
上の方でも言及されてましたが、私も89、90と遥々鈴鹿まで出向いてあのシケインと1コーナーでした…金返せよ…と思った若き日のおもひで。
1コメンター様のコメント見て、色々考えさせられました。
中国の故事で「矛盾」と言うのがありますが(中学生で漢文を習っていた時に初めて知りました)
現在のマックスは「矛」で、ハミルトンが「盾」でしょうか?
相容れる事が出来なくて全く噛み合わない状態。
あちらを立てれば、こちらが立たず?と簡単に決めつけてしまってはいけないのですが、時間が立てば解決する訳にも行かない?
もう1つ「敵を知り己も知れば百戦危うしからず」の名言を、
偉大なる両ドライバーに送りたい。