ホンダF1エンジンの現状の問題点を日本GPが終わったのでまとめてみます。

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F1エンジン(パワーユニット)のおおまかな仕様規則

  1. V型6気筒1600CCの内燃エンジン最高回転数15,000rpm
  2. MGU-K(約163馬力)によるバッテリーからの1LAPあたり4MJのエネルギーアシスト
  3. MGU-Kによるバッテリーへの回生は1LAPあたり2MJまで
  4. MGU-Hによるバッテリーへの回生と直接MGU-Kへエネルギーを送るのは無制限
  5. バッテリーへの1LAPあたりの回生は合計5MJまで
出典:honda.co.jp
出典:honda.co.jp

 

箇条書きにしてもなんとも複雑ですね、通常のハイブリットカー技術であるMGU-Kは理解できるとして問題はF1エンジン独特の排気タービンに直結しているMGU-Hの利用方法です。

 

ホンダのパワーユニットの問題点が段階的に潰されて行くことによって見えてきた、本当の課題はこのMGU-Hの稼働を最大化する事だった。

 

1周あたり2MJの回生をこのMGU-Hで行わなわなければバッテリーからのMGU-Kでのアシストが最大限行えない。

 

 

最大の攻略ポイントは上記の箇条書きの4番目である

「MGU-HによるMGU-Kに直接電気を送るアシストは無制限」

これを完全に攻略することが来期ホンダに課せられた課題です。

 

排気の力を加給に使うのか?MGU-Hで回生するのか?

ターボエアコンプ

排気エネルギーはアクセルを踏んでいる時に発生する力です。

約600馬力発生するV6エンジンはこの加給が最大値の時に発生します。

 

よって排気エネルギーではまずは加給を最大限行うように設定します、そして余分に余る排気エネルギーでMGU-Hを稼働させて回生エネルギーを得ます。

 

吸気の部分でホンダはコンプレッサーを従来の遠心式ではなく軸流式を導入しています。

 

軸流式は遠心式にくらべ圧力が低下しているといわれています。内燃エンジンにとっては燃料流量制限により軸流式でも問題ありません。

しかしタービンが低回転で必要とする圧力が得られるならばそれ以上の回転力は回生に使えるのです。

 

より多く回生したほうがMGU-Kを回し駆動力に使えるエネルギーが増えます。

 

鈴鹿サーキットを例にとると1周約100秒かかるとして全開時間は63秒となります。バッテリーからの4MJは33秒で無くなってしまいます。あと30秒分をMGU-Hからの直接エネルギーで160馬力を使えないとなりません。

 

これがメルセデスができてホンダが全くできないポイントです。

 

とにかくMGU-Hの効率を上げることがホンダにとって必要な事です。

 

 

来期はシーズン中の開発ができそうにないので、ホンダには開幕までに最高のパワーユニットを作り上げてほしいです。