テストから・・・いやシェイクダウンダウンから不安定なリアの動きを見せているフェラーリSF-23

遠征となったマイアミでアップデートを投入しています。

 

フロアフェンスからディフューザーまで一通り変更、フロア全体を見直している。

どんな変更だったのか確認し、レッドブルやアストンとの違いを分析します。

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フェラーリSF-23のフロアフェンス

フロアフェンスの外側の高さを上げて容量を増加させている。

https://f1i.autojournal.fr/

エッジウィング自体はほぼ変更が無いが、フェンスと接続する高さが変わっているのがわかる。

 

 

https://f1i.autojournal.fr/
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フロアサイドへ下面から排出する気流を増加させて、フロアエッジの低いボルテックスを強めるのが狙いだろう。

フェラーリSF-23のディフューザー

ディフューザーは上部を全体的に若干低く、最後の捲り上がりが緩やかな曲線を描いている。

 

 

キックポイントからの傾斜が緩やかになっています。

ディフューザー前半が低くなっていて凸形状が際立つ様になっています。

この凸形状はどうしても必要なものがあるのでしょう、強化系部材なのか?何かの機器なのか?

ステーの位置がエッジまで伸びています。

フェラーリとレッドブルのフロアの違いを分析

フェラーリのディフューザー自体は傾斜角度が緩くなり、感度を下げる方向性です。

今までより機能性は上がるだろう。

 

しかし、それは容量が減っていると言う事になる、となればトンネルやリア側へ導く空気量を減らずべきだと思う。

フェンスは外側のみの変更、内側のトンネルへの空気量は特に変わっていない。

フロアエッジからの排出量が増えているようにも見えない。

フェラーリの内側フェンスはカットされていてトンネルやフロア全体へ導く空気量が多い。

フェンス内部の傾斜はかなり直線的です。(フェンスの収縮ポイントが後ろになる)

 

 

レッドブルなどの内側フェンスは最下点まで低くビブにかなり寄った形状をしている。

 

フェンス内部の傾斜は路面側へ曲線を描く、特に中央のトンネル側は早めに空気を収縮して加速させるようになっています。

 

フロア中央へ空気を多く入れるのではなくサイドへ逃がす事で、フロア前方の下面へ空気を吸い込むような流れが出来ます。

(本来であれば真っすぐ進む大気を両サイド側へ引っ張るので、その部分へ埋め合わせるように大気が流れ込む)

レッドブルのフェンスはその範囲を前後に長くとっています。(この図は少し極端に描いています)

 

アストンもフェンスが低くくフロア前方で負圧を多く作るようになっています。

フロア全体への空気量が少ない為、中央のフラットエリアが広くなりフロア全体の容量が少ないのです。

 

それでいてリアも機能させるために中間トンネルを広くし、フェンスからこぼれるようなボルテックスを強くしてキックポイントまで届けています。

レッドブル型フロアの優位性

このフロア前方の負圧を増やす事は、レッドブルがずっと採用してきたハイレーキ哲学と一緒です。

フロントウィングに頼る事無く、前寄りのダウンフォースを作ります。

 

フロアデザインの自由度が大幅に上がった為、このような事が出来るようになった。

フロア前方で空気のエネルギーを多く使ってしまうので後方は他より小さくなる、原理的に理に叶ったフロアになっています。

 

リア一辺倒になりがちなベンチュリートンネルを、フロント側を強める事でリア側を弱くする。

他よりリア側の最大値が低い為、速度の強弱や車高の高さで変わる負圧量変動の影響を緩和出来ている。

 

そして他より少し大きなリアウィングを使って不足分を補っています。

厳密に言うとドラッグの大きいフラップを備えたリアウィング(上面正圧中心)です。

 

 

フロアの空気を抜き出す為にディフューザーがある、それは後ろに限定されるものでは無く、フェンスで同じ現象を作り出す。

その機能を増加させるためにフェンスのサイド排出を増やす。

これをバランスよく出来ているのがレッドブルやアストン、出来ていないのがフェラーリやメルセデスなどです。