フェラーリ&S・ベッテルが好調な波をつかんでいる。オーストラリアGPでは3位表彰台を獲得して、今回のマレーシアGPでは優勝を成し遂げた。
今回のフェラーリの強さは単純に答えるとレースペースとタイヤ摩耗に長けていたと言える。
フェラーリ驚愕の熱耐性が明らかになったマレーシアGP
マレーシアGPのフェラーリは常にラップタイムが安定していた。フリー走行から絶好調だったK・ライコネンとS・ベッテルはタイム的にはメルセデス勢と遜色なく、しかもタイヤデグラデーションが他のマシンよりも優れていた。
また気温約30℃・路面温度約60℃となる暑い気候の中でボディに排熱穴を追加する事無く、あれほどのパフォーマンスを持続させたフェラーリはかなりの衝撃を他のチームに与えたと思います。
高温の中PU(パワーユニット)のクーリングが最適に行われなおかつ空力バランスもよく、そしてタイヤにも優しいマシンが2015年型フェラーリと言う事実がこのマレーシアGPの決勝で明らかとなった。
フェラーリの昨年型との違いからこの活躍を解析する
フォーミュラ1の公式サイトでフェラーリの2014年と2015年の比較動画があるので覗いてもらいたい。その中でサイドポンツーンの開口部の比較があったので抜粋してみました。
素人目で見ても開口部の広がりは一目瞭然である。これにより空気を多く取り込みPUの冷却に使われていると思われる。
また、空気を多く取り込んだらその分を排出しなくてはドラッグになってしまう。この空気の排出をしっかりと考えれて作られているマシンと言えるでしょう。
このデザインにより熱に強いマシンになったと言えるのではないでしょうか?現在のPUは熱との戦いです。フェラーリはその事をしっかり理解して今年のマシンを作りこんできたことがこれでわかりました。ホンダの学ぶべきポイントはここだと私は思います。
ホイールベースを50mm延長している今年のフェラーリSF15-T
ホイールベース延長の利点は直進安定性の向上、重量バランスの改善などが上げられるが今年のフェラーリの狙いはリアの空力の改善だと思われる。延長することでパーツを中心に集め尚且つボディーワークにて車体を絞る事に成功している。これはリアのダウンフォースを改善できる。
ダウンフォースの改善はタイヤを路面に吸い付かせるためには必衰事項でコーナリングフォースを高め尚且つタイヤの滑りを抑制し摩耗を減らす事ができる。このあたりの事が今年のフェラーリの強さの秘密になるのではないでしょうか。
フェラーリの新チーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネの光る手腕
昨年の11月よりフェラーリの代表になっているマウリツィオ・アリバベーネは一風変わった事をする人物らしい。ヘレステストで観客席からテスト走行を見守ったりと今までに無いことをする。
この行為について私が思うところは、彼には命令して指示する立場でありながらそのものの立場に歩み寄る事ができる人物だということだ。これはチームをまとめる上でかなりの効果のある行為だといえる。
オーストラリアGPでタイヤ交換でミスをしたクルーに対し叱咤するのでは無く「落ち着いて、気にするな。」と声をかけたらしい。普通であればミスをしたら交代させたりとペナルティを課すが彼はそうしなかった。
フェラーリという大きな家族が今年出来上がっているし、この2戦だけでその絆はより強固なものになっている。
彼の手腕とベッテルの加入でフェラーリは完全に息を吹き返したように思える。あのミハエル・シューマッハがいた頃のような雰囲気を感じるのは私だけだろうか。