ブラジルGPはマクラーレンホンダにとっては、己の実力を知るためのレースだったのではないでしょうか。
ほぼ1年戦ってきて、結局最下位チームとなってしまっている現状が今のマクラーレンホンダとくにホンダの実力です。(注:マノーは考えに入っていません。)
ブラジルGPでの予選タイム差2.143秒
1 N.ロズベルグ メルセデスAMG 1:11.282
17 J.バトン マクラーレン 1:13.425
前回のメキシコGPから比べても約0.1秒ほどの改善が見られています。
今年はホンダエンジンが、安定した力を発揮し始めたころは常にラップタイムで約2.5秒の差がありました。
ここ2戦は、2.2秒⇒2.1秒とほぼ2秒差に迫る勢いがある。
ホンダエンジン自体の改善は微々たるものなので、マクラーレンの車体側での改善が大きいように思う。
とくにフロントウィングの改善は、パフォーマンスに大きく影響を与えている。
フロントのパフォーマンスが上がりリアとのバランスが悪くなっているとのコメントもでているようなので、マクラーレンのフロントウィング哲学は上昇傾向にあるのでしょう。
ブラジルGPでの決勝タイム差+1lap
今回はメルセデスの2台は全力で戦いました。そして4位まで周回遅れとなってしまっています。
メルセデスと今まともに戦えるのはフェラーリのみという現状ですので、マクラーレンホンダとしては今回の結果は仕方がない実力の差でした。
エンジンの特に回生エネルギー量の差が、今現状の差なのかまだまだ見えてこない部分ではありますが、1秒ほどはあきらかにパワー不足によるものと推測されます。
パワーが上がれば、今度はそれを路面に伝えるリアのダウンフォースが必要になってきます。
いまだにマクラーレンはモンキーシートと呼ばれる小さなリアウィングを導入していません。ドラッグの上昇を防ぐためでしょう。
ダウンフォースを上げる事はドラッグの上昇につながり、この辺りのバランスのジレンマが生まれるのは来季からになるはずです。
パワーとダウンフォースのジレンマが、来季の最初のテストでどの程度生まれてくるのか?
また最終戦後に行われるテストで大幅に改良したエンジンテストはできるのか?
来季のホンダに対する期待は膨らむばかりです。