2014年に導入された1,600ccターボハイブリッドエンジン、通称パワーユニットは急速な進化を遂げている。特にタービンに直結されたモーターよるパワーアシストとエネルギー回生技術は、F1と言う過酷なステージにおいて多くの技術的発展をもたらしている。
中でも研究開発が遅れていたホンダの進歩は目覚ましく、来年にはトップパワーユニットの仲間入りを果たすだろう。先行しているメルセデス・フェラーリは細部の改良を押し進め、更に緻密な制御や信頼性確保に力を注いでいる。
ホンダパワーユニット
ホンダPUの冷却機の用途を予想したものです。基本的に細いパイピングはオイルで太目なものは水です。エキゾーストマニホールドは4メーカーの中で最小となっています。
インタークーラーは知見のある海外サイトの情報で考察してみましたが、大き目のサイズである事と左右に同型のものが存在する事から空対空もしくは、空対空+水対空だと思います。空対空いわゆる空冷は冷却効率は非常に高いがラジエータースペースを必要とします。
F1の冷却について今もっとも詳しく説明しているサイトは以下です。
Playing it cool – the dynamics of modern F1 car cooling systems explained
フェラーリパワーユニット

フェラーリPUはエンジン後ろにコンプレッサーがあり、圧縮空気はチョンマゲのようなパイピングで前方の水冷インタークーラーに運ばれています。他のPUと大きく違う点はプレナムチャンバーから更にパイピング(金色のカバー)がありエンジンに空気を運んでいるように見える事です。
この金色の耐熱カバーは、すぐそばに高温の排気タービンがある事から、せっかく冷やした空気温度を上げないためのものです。
セパレート型(コンプレッサーがエンジン前方)のメルセデスやホンダに比べると何やらごちゃごちゃとしていて、見た目の印象は悪い、でも今現在F1界一パワフルだと思われています。
ルノーパワーユニット

ルノーはフェラーリ同様の後ろに排気タービンとコンプレッサーがあるレイアウト、まず目を引くのがエキゾーストマニホールドの大きさですね。デカい太い!男なら憧れる・・。
そろそろ淡々と説明するのも飽きてきたところで下ネタ投下サーセンw
もう一つ注目してもらいたいのがラジエーター関連ですね、このストレートな構造って遅れてる。レッドブルは重心を下げるために下方へ湾曲させる、メルセデスやフェラーリは小型にして逆に上方に湾曲したもので冷却効率を上げている。こういうところの違いを見るとルノーが遅れている部分がわかってしまう、まぁそんなところです。
メルセデスパワーユニット

いつ見ても美しいメルセデスのエンジンルーム、理路整然としたドイツ気質が存分に味わえる画像です。一つだけ願いが叶うとすればモノコックに内蔵されている水冷インタークーラーを見たいって事ですね。
さてここからが超マニアック画像です。おそらくこんな画像に出会ったのはブログ開設以来じゃないかな。

メルセデスPUの排気タービンのブレード形状が見える!!!
そしてもう一発。

メルセデスPUのコンプレッサー入口です!!いつもは丸い金属カバーがついている部分の先になります。
5枚に分かれた回転式のシャッターがついていますね。この先にブレードがあるのですが流石にそこまでは見れません。
そうかぁやっぱりコンプレッサーは容量可変型だったのかぁ。必要な空気量を調整する弁みたいなものなのだろう、低回転域では開きを小さくしてレスポンスアップ、高回転域では全開になり必要な空気量を確保する、そんな稼働かな。
まとめ
メルセデスPUのタービン中側を見れた事は素晴らしいが、タービンブレードの知識が無い私には何も説明できないのが心苦しい限りです。
最近話題になる事が多い冷却系は、マシンの空力性能とのトレードオフが顕著に現れる。冷却効率をアップさせたメルセデスは多少パフォーマンスダウンしていると思う。レッドブルホンダは冷却効率のアップとPUの使い方をアグレッシブにしたことにより差を詰めた。
そして、ホンダPUが他と一番違うところは、吸排気系全体が他より低温だという事だと思う。大きめのインタークーラーで空気を冷やす、よって排気温度も低いためにエキゾーストは小さい、更にはエンジン全体の温度も低い、よってラジエーター関連を小さくできる。
それによってレッドブルの運動性能は空力を含めて向上すると言った感じ。
逆に言えば高回転高負荷領域のパワーを追えば、エンジン全体温度は高温稼働でなければいけない気がする。水冷インタークーラーは空冷より冷却は劣るが安定するし、メルセデスやフェラーリのエキゾーストマニホールドはホンダよりかなり大きいからです。
このように色々考察してみましたが、これはあくまで持論であります。皆様の知見的なコメントお待ちしています。
メルセデスの排気側タービンは十字のサポートがついてるんですね。
これで長いシャフトの軸ブレを抑えているのかと思います。
あと排気温度は下げちゃダメじゃないですかね。
ICEの効率が落ちるだけじゃなく、タービンが回らなくなるので、パワーも回生も落ちます。
細いエキマニでも流速をあげて排気できる秘密があるのだと思いますよ。
その方がレスポンス(ドライバビリディ)もいいはず。ルノーと対照なのでわかりやすいかと(笑)
メルセデスのはインレットガイドベーンみたいですね。自分も色々考察してツイートしてましたけど、少し絞る事で、弁の後ろが負圧になり吸気温度が下げれる。変速時に閉じる事でブローオフバルブで空気を逃がす事なく、コンプレッサーの抵抗を減らしてMGU-Hの充電に使える。コレはリフト&コーストの時にも使える。高地に合わせた大きめのコンプレッサーに設計し、通常は少し絞り気味にして、高地では全開にする事で、ターボの許容回転数上限に適応させる。コンプレッサーに入る前に予め空気を回転させる事で吸気抵抗を減らし、効率を上げる。…等々、何でも出来ますよ。まだまだ何が出来るか考えてますが、ホンマに可能性が沢山あって楽しいですよ!
内部流体力学の極みですね。
管内の圧力変化、流体の速さと遅さなど、やばい私の脳内コンピュータはエラー表示ですw
ちょっと勉強しないといけないなぁ。
4輪のターボではまだ使われてない技術ですが、そのものはかなり古い技術です。コンプレッサーやガスタービンエンジンなどに使われていて、「インレットガイドベーン」「IGV」「Inlet Guide Vane」「可変入口案内翼」「VIGV」「Variable Inlet Guide Vane」等で調べると、PDFの資料や特許とか出てきて楽しいですよー!
技術的には大戦中の航空機には採用されていたものらしいですね。
F1ターボ初期(1980年代)ではコンプレッサー前スロットルが流行りだったようです。
それらが融合されたものと考えていいのかな。
ホンダは航空技術的知見が導入されているので同等の事はしてるだろう。
閉じると流れが止まる⇒タービンの回転に対してブレーキ力が生まれる⇒その力で発電できる。
シャッターが無い状態よりもブレーキ力が大きくなる事でMGU-Hを回す力が大きくなるって感じ?
意外、タービンブレードってこうなってるんですね。イメージとしてはエロいカーブの幾何学的な細めのブレードが並んでると思いきや、思いのほかサーキュレーターの羽根のようですね。
排気タービンのブレードの写真ですが、何かの冷却用軸流ファンにしか見えません。
こんな形状で排気タービンが成り立つのが不思議です。
多分この奥にはもっと複雑な形状のブレードが潜んでいますよ。
2段構えになってると思います。
うむ、たしかにこんなのが本当に10万回転以上するのかシロートには想像し難いな…。
メルセデスのこの蓋ってターボの回転数を上げる時に役に立つのでは?
掃除機の吸い口が塞がるとモーターの回転が上がりますよね。あれはコンプレッサー内の圧力が低くなるからなので。
とはいえ、そうだとしても取りあえず運用方法は分かりませぬ。
アクセルオフ時:排気タービンを回すパワーが無くなる⇒コンプレッサーに空気が入れば抵抗になる⇒シャッター閉じれば抵抗が減る
⇒惰性で回ってるタービンの力でのMGU-Hの発電量が増える
こんな感じね。
アルボンとクビアトがスペック4投入らしいですね。
残りの2人との比較が出来そうですね。
今週末が楽しみだ。
御世話になります。
メルセデスの排気タービンのブレード、表面処理の色なのか?高温にさらされて焼けた色なのか?分かりませんが、良い雰囲気で感動します。
これを年間21戦、ドライバー1名当たり3基で凌ぐ耐久性には恐れ入ります。
どのような材質(インコネル?)、表面処理(セラミック系コーティング?)か分かりませんが、軍事機密並みの技術が隠されているのでしょうね‼️
コンプレッサー入口のシャッターは、まるで一眼レフカメラのようですね。これを絞ったり広げたりする訳ですか?凄いな。
これで、Vバンクど真ん中のMGU-Hの画像が揃えば、3点セットの完成ですね。いつか実物画像見たいですね。
メルセデスのパワーユニット搭載画像、一言表現で「整理整頓が良く出来てるな‼️」ですね。