開幕から不安定な挙動を見せていたメルセデスW15が、アップデートを投入する度に改善を示している。

モナコでは奇抜なフロントウィングをオーソドックスなものに変更、操縦性が上がったと評価されていた。

 

カナダでは新フロントウィングに合わせたサスペンションアームフェアリングなどを投入、ライバルの不振と相まってポールポジション、レースでは3,4位と好成績でした。

アップデートの確認を行っていきましょう。

Sponsored link

メルセデスW15のフロントウィング

絶対成功しないと思っていた奇抜なフロントウィングは、フラップの頂点が削られていた。

そしてモナコで投入されたものは、ウィングが順に並んだ他チームと同じ様なものに変更されました。

 

https://f1i.autojournal.fr/

1番ウィング、2番ウィングがほぼ同じ前後幅で並ぶようになっています。

レッドブルやフェラーリと似た感じの配置です。

ウィングが階段状に綺麗に上昇していく形になり、空気の流れが変に捻じれる事がなくなるでしょう。

メルセデスW15のフロントサスペンションアームフェアリング

https://f1i.autojournal.fr/

フロントウィングの流れに合わせる為にアームフェアリングを変更、前にあるステアリングロッドの後端とロアアーム前の後端が少し上がり空間が増えています(ノーズ脇のみ)

これはフロントノーズ周りからの上昇気流を綺麗に流す為と思われます。(その分ダウンフォース増)

メルセデスW15のフロアフェンス

https://f1i.autojournal.fr/

フェンスとモノコックの付け根部分におわん状の突起を追加。

この部分は強烈な気流が上昇してくるので、他チームと同じようにアンダーカットへ導くようにしています。

まとめ

「空力はフロントから始まる!」

F1マシンに限らず、フロントからの空気の流れをトレース出来ていないと大問題に発展します。

メルセデスが陥った罠は、とある速度域でマシンの向きにある一定の角度が付くと大幅に空力を失うといったもの。

それは素直じゃない奇抜な形のウィングによって起こっていた。

 

2022年よりフロントウィングでしてはいけない事は、フラップを立てない、ラインはなるべく平坦に、通る空気を乱さない、主にはこんなところでしょう。

 

メルセデスが次にやるべきはフロア全般とサイドポッドになるでしょう。

来年は2026年に向けた開発に全力投球なため、今年中に2025年に繋がるマシンにしなければなりません。

 

※( VCARB01は今のフロントウィングで速さが確立出来ているので、他チームのように下げたりすると大変な目にあいます。)