シンガポールでのメルセデスの失速ひいてはモナコやハンガリーでも遅かった。私自身最大ダウンフォースが足りない事とホイールベースが長い事が大きめの原因だと考えていたが、ある掲示板に素晴らしい回答があったので引用します。これはF1の某まとめサイトでも掲載されていました。
掲示板の素晴らしい回答
引用元:http://maguro.2ch.sc/test/read.so/f1/1505548873/
これが投稿されたのは9月17日の事です。
勘違いしてるやつ多いけど、メルセデスが低速サーキット弱いのは
ホイールベースの長さ以上にマシンコンセプトと相性が悪いんだよメルセデスはレッドブルやフェラーリほと車体のレーキ角がきつくなく、他よりもフロアは水平に近い
基本的にレーキ角をつけるメリットは低速時にフロントが沈み、高速時にリアが沈む事でそれぞれダウンフォースを増やそうって事だけど
メルセデスはそれよりも常にマシンが得られるダウンフォースを一定にする事を目指してるここまで書けばわかると思うけど、メルセデスは低速のストップアンドゴーみたいな
マシンの姿勢変化が大きいサーキットでは前後グリップが安定しないんだよ
逆にマシンの姿勢変化が少ないサーキットではメリットになるし、高速のストップアンドゴーはパワーでカバーできるレギュレーション変更でドラッグが大きくなった。
高レーキ角セッティングはドラッグが大きく、ストレートでレーキ角を減らすFRIC規制もあってやりずらい。
低レーキ角だと当然ダウンフォースが減るので、フロア面積を拡大する必要があった。
フロア面積を稼ぐためにフロントタイヤを前に移すと、幅が広がったタイヤで乱された気流が空力に与える悪影響を減らすこともできる。
仕方ないからホイールベース延ばそうぜ!っていうのがメルセデスのソリューションな。
一方で、ホイールベース延長もやりすぎるとシャシー剛性を高くしないといけないので重量が増加するデメリットがある素人にはオススメ出来ない諸刃の剣。
デメリットを嫌って、ホイールベースを延ばさないならサイドポンツーンを後退させればいいじゃない?って考えたのがフェラーリ。でもサイドポンツーン前端がある位置にはクラッシャブルストラクチャーがあって、これはレギュレーションで動かせない。
そこでフェラーリのエロいエンジニアはクラッシャブルストラクチャーをサイドポンツーンの前に出して、別の空力パーツと融合させることで上手いことサイドポンツーンを後退させることに成功した。
これを見た時はかなりショックでしたね。すべてが理にかなっている回答に某掲示板の住人には敬意を評したいと思います。私もこれぐらいの事、解析できないとダメですね。
そして今日9月28日、同じような回答の記事がオートスポーツWEBに掲載されました。
オートスポーツWEBの記事
引用元:https://www.as-web.jp/f1/164624
BAR時代に車体のエンジニアを務め、現在チーフレースストラテジストを担当しているジェームス・バレスは次のように説明する。
「この問題はマシンのコンセプトに関わる話なので、あまり詳しくは説明できないが、巷で言われているロングホイールベースそのものが問題ではないよ」
今年のマシンの中で最もホイールベースが長いのがメルセデスである。その長さは3960mmと言われている。これに対して、フェラーリのホイールベースは3594mmでハースと並んで4番目。レッドブルに至っては3557mmと7番手(逆に言えば4番目に短い)ホイールベースなのである。それゆえ、狭く曲がりくねったコースが苦手ではないかと思われたのだ。
ちなみにメルセデスに次いで2番目にホイールベースが長い3691mmのフォース・インディアもシンガポールGPでは、予選で12位と14位に終わった。
だが、バレスはホイールベースそのものが原因ではないというのだ。そして「われわれのマシンと、ライバルのマシンにはホイールベース以外にも異なる点がある」と言って、手のひらを下に向けて、手首を少し曲げてみせた。それは車体のレーキ角を意味する。
現在のF1マシンはダウンフォースを稼ぐために、静止状態で車体を前傾姿勢させているマシンが多い。こうすることで低速時にフロントウイングのダウンフォースを増やし、直線区間ではリヤが沈み込むため空気抵抗が減って、ストレートスピードが上がるというメリットがある。
しかし、このアイディアにはスピードが上昇してリヤが沈み込む前の段階で、前傾姿勢が空気抵抗となるというデメリットもある。それを嫌って別なアイディアでマシンを開発したのがメルセデスだった。
メルセデスのレーキ角はフェラーリやレッドブルよりも緩やかで、どちらかといえば水平に近い。つまり、どのような状態でも車高が一定になるようデザインされている。ただし、それにはフロアが大きいほうがいい。そのために、ホイールベースを伸ばしたのではないだろうか。
つまり、メルセデスのマシンは車高の変化が小さい中~高速コーナーで安定したダウンフォースが出るように設計されている。そのため、低速コーナーが多いストップ・アンド・ゴー型のサーキットではブレーキングやアクセレーションの際にマシンがピッチングするため、車高の変化に弱いメルセデスが苦しむのではないか考えられる。
その仮説が大きく外れていないことはバレスのこんな言葉からもうかがえる。
「ライバルチームはもう気がついているかもしれないが、われわれのマシンはフリー走行1回目が速く、セッションが進むごとにライバルとのギャップが縮んでいく傾向にある」
確かにシンガポールGPのフリー走行1回目はレッドブル2台の1-2体制でスタートしたものの、その直後につけていたのはフェラーリではなく、メルセデス勢だった。その後、メルセデス勢はフリー走行2回目でベッテルの後塵を拝し、予選ではライコネンにも先を越されてしまった。
つまり、路面がまだグリーンな状況ではマシン全体のダウンフォースを有するメルセデスが速いが、路面にラバーが乗ってブレーキングがハードになると、マシンに大きくレーキ角をつけたフェラーリやレッドブルのほうが、低速コーナーでフロントのダウンフォースが増し、ターンインがシャープになるからだとバレスは言いたかったのではないだろうか。
そう考えると、シンガポールGPの予選でフェラーリとレッドブルに後れを取っていたメルセデスが、ウエットコンディションと、その後ドライアップしていった路面がグリーンな状態でのドライコンディションで速かったのも納得がいく。
「今日の勝利は、スタート直後のアクシデントがわれわれに大きく幸いしたことは間違いない。でも、イギリスGPの雨の予選でわれわれが速かったことを考えれば、今年のシンガポールGPはスタート直後のクラッシュがなくとも、われわれが勝っていた可能性は十分ある」
ストラテジストのバレスらしい、分析である。
まとめ
これは本当にインタビューで書いた記事なの?掲示板の回答とほぼほぼ同じ内容ですよね。記者の仮説の内容がほとんど一緒だなんてあら不思議w
まぁそんなこんなで今回はネタ的内容になって申し訳ありません。ちょっとクスっと笑ってくれればこれ幸いです。
明日はいよいよマレーシアGPがスタートしますね。金曜日の平日で時差がないためにリアルタイムで見れませんが・・。
仕事中にこっそりLTでも眺めますか。
何か物凄く信頼性にかけるような…
個人的には、まず2017年の今年一番開発が出来るミッドエリア(前輪~サイドポッド)の空力開発の幅を効かすために、その部分のスペースを広げた結果、ロングホイールベースになった気がするんですよねぇ。
レーキ角増加によるドラッグ増加も、同じ量のダウンフォース量を出すのなら、ウィングで出すよりも車体下で出す方が得策だから、レーキ角は出来るだけ付けるはず。けどロングホイールベースになってしまった事で角度が浅くなってしまった。…その後は大体そうでしょうけど、
やはり今年一番の開発ポイントであるミッドエリアがキーポイントだと思いますね。まだどのチームも明確な答えを出してない感は見てて解ります(FWに対して洗練さが全くない)ので、今後もここの変化が重要になりそうです。(だからジェームス・バレスは言葉を濁した?)
もともとメルセデスはレーキ角をあまりつけない仕様ですからね。
昨年までの規定だったら付けないとDF足りない。
どちらにしろメルセデスはターンイン時にレッドブルのようなキレが無いのは事実です。