オーストラリアGPではベッテルが素晴らしい走りで、ハミルトンを逆転して優勝していますが、どこでどう速かったのかデータを元に分析していきます。タイヤのデグラデーションなど今後のグランプリで必要になってくる部分についても同様に分析してみます。
オーストラリアGPトップ3ラップタイム
S. VETTEL | L. HAMILTON | V. BOTTAS | |||||||||
LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME | LAP | TIME |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16:08:03 | 30 | 1:28.388 | 1 | 16:08:02 | 30 | 1:28.532 | 1 | 16:08:04 | 30 | 1:27.496 |
2 | 1:29.727 | 31 | 1:28.119 | 2 | 1:29.638 | 31 | 1:28.267 | 2 | 1:30.141 | 31 | 1:28.175 |
3 | 1:29.043 | 32 | 1:28.226 | 3 | 1:29.119 | 32 | 1:27.711 | 3 | 1:29.635 | 32 | 1:27.453 |
4 | 1:29.128 | 33 | 1:27.701 | 4 | 1:29.044 | 33 | 1:27.548 | 4 | 1:29.301 | 33 | 1:27.432 |
5 | 1:29.127 | 34 | 1:27.628 | 5 | 1:28.786 | 34 | 1:28.974 | 5 | 1:29.460 | 34 | 1:27.513 |
6 | 1:29.083 | 35 | 1:27.483 | 6 | 1:28.919 | 35 | 1:27.435 | 6 | 1:29.135 | 35 | 1:28.532 |
7 | 1:28.865 | 36 | 1:27.347 | 7 | 1:28.797 | 36 | 1:28.354 | 7 | 1:29.164 | 36 | 1:27.139 |
8 | 1:28.753 | 37 | 1:27.620 | 8 | 1:28.379 | 37 | 1:27.712 | 8 | 1:29.488 | 37 | 1:27.285 |
9 | 1:28.234 | 38 | 1:27.490 | 9 | 1:28.391 | 38 | 1:27.558 | 9 | 1:29.191 | 38 | 1:27.437 |
10 | 1:28.657 | 39 | 1:27.586 | 10 | 1:28.326 | 39 | 1:27.618 | 10 | 1:28.875 | 39 | 1:27.396 |
11 | 1:28.393 | 40 | 1:27.718 | 11 | 1:28.464 | 40 | 1:27.525 | 11 | 1:29.092 | 40 | 1:27.711 |
12 | 1:28.221 | 41 | 1:27.386 | 12 | 1:28.424 | 41 | 1:28.720 | 12 | 1:28.789 | 41 | 1:28.337 |
13 | 1:28.372 | 42 | 1:27.448 | 13 | 1:28.117 | 42 | 1:27.473 | 13 | 1:28.377 | 42 | 1:27.525 |
14 | 1:28.690 | 43 | 1:27.819 | 14 | 1:29.037 | 43 | 1:28.842 | 14 | 1:29.214 | 43 | 1:28.049 |
15 | 1:28.507 | 44 | 1:27.954 | 15 | 1:28.494 | 44 | 1:27.033 | 15 | 1:28.755 | 44 | 1:27.597 |
16 | 1:28.221 | 45 | 1:27.735 | 16 | 1:28.438 | 45 | 1:27.151 | 16 | 1:29.785 | 45 | 1:27.123 |
17 | 1:28.364 | 46 | 1:27.695 | 17 P | 1:46.345 | 46 | 1:27.347 | 17 | 1:29.051 | 46 | 1:27.555 |
18 | 1:28.478 | 47 | 1:27.735 | 18 | 1:33.568 | 47 | 1:27.285 | 18 | 1:28.860 | 47 | 1:27.491 |
19 | 1:28.118 | 48 | 1:28.707 | 19 | 1:27.551 | 48 | 1:27.328 | 19 | 1:28.780 | 48 | 1:27.103 |
20 | 1:28.224 | 49 | 1:27.613 | 20 | 1:28.473 | 49 | 1:28.063 | 20 | 1:29.042 | 49 | 1:27.685 |
21 | 1:28.578 | 50 | 1:27.422 | 21 | 1:28.981 | 50 | 1:28.989 | 21 | 1:28.909 | 50 | 1:28.717 |
22 | 1:28.501 | 51 | 1:27.782 | 22 | 1:29.879 | 51 | 1:27.768 | 22 | 1:28.965 | 51 | 1:28.395 |
23 P | 1:46.995 | 52 | 1:27.618 | 23 | 1:29.457 | 52 | 1:27.607 | 23 | 1:28.871 | 52 | 1:27.844 |
24 | 1:33.830 | 53 | 1:26.638 | 24 | 1:31.474 | 53 | 1:27.087 | 24 | 1:29.671 | 53 | 1:27.045 |
25 | 1:27.726 | 54 | 1:27.007 | 25 | 1:30.306 | 54 | 1:28.299 | 25 P | 1:46.647 | 54 | 1:27.412 |
26 | 1:27.598 | 55 | 1:27.369 | 26 | 1:27.952 | 55 | 1:27.496 | 26 | 1:33.438 | 55 | 1:28.670 |
27 | 1:28.046 | 56 | 1:27.437 | 27 | 1:27.834 | 56 | 1:27.527 | 27 | 1:27.052 | 56 | 1:26.593 |
28 | 1:27.726 | 57 | 1:28.709 | 28 | 1:27.846 | 57 | 1:28.142 | 28 | 1:27.273 | 57 | 1:27.507 |
29 | 1:28.009 | 29 | 1:27.813 | 29 | 1:27.735 |
ラップタイム分析
トップスタートのハミルトンは順調に走行し5周目には28秒台へ、ベッテルは遅れて7周目に28秒台へハミルトンの異変は11周目にタイムが上がらくなりベッテルに詰められる、逃げようとペースアップした直後の14周目には29秒台になってしまう。
このあたりでタイヤがオーバーヒート気味だったと思われます。ソフトに交換して一気に27秒台へいれるもフェスタッペンに引っかかってしまいます。29秒台で抑え込まれてる間にベッテルは28秒台前半で踏ん張っています。
ベッテルはフェルスタッペンがいなくなればアンダーカットされてしまうため、ギリギリのタイミングでピットインしていました。もう1周走れば+1秒は余裕があったはずですが、フェルスタッペン次第だったのであのようなエキサイティングなタイミングになっています。見ている方からすれば最高に面白いタイミングでしたが当事者からすれば冷や冷やもんですね。
圧巻なのはベッテルの33~56周まできれいに27秒台中盤のタイムを並べている点です。ハミルトンはこの間28秒後半のタイムに何度も入っています。タイヤがオーバーヒート気味なためクールダウンラップを混ぜていたようです。
後半のソフトタイヤではボッタスの方が明らかにペースがいいですね。ハミルトンはウルトラだけでなくソフトタイヤでも苦労していた事がラップタイムから伺えます。
メルセデスがタイヤをうまく使えなかった訳は?
今回メルセデスは序盤2台とも同じ問題を抱えています。タイヤに対しての入力が大きすぎるのか?定かではありませんが、こうなってくるとトリックサスペンションと言われる上下動をコントロールして空力を安定させるデバイスの存在が怪しまれますね。
ダウンフォースが30%も増加した今年は昨年のような柔らかいサスペンションは使えません。ダウンフォースに対抗するために硬くせざるを得ない状況ですので、足回り関連が影響している事は間違いなさそうです。
硬めの足回りをうまく動かしてフロアの高さを安定させることに、苦労しているのかな?テストでもフロアのダウンフォースが安定しないと言っていましたのでドライブしずらいのかもしれません。他チームよりレーキ角が無いのも気がかりな点です。
なぜベッテルだけがウルトラを作動させ続けたのか?
メルセデスの二人は結局同じような状況なのは見受けられますが、フェラーリはあまりにも両極端で解析のしようがない状態。ライコネンもある程度速ければフェラーリがタイヤにやさしいと言えますが、ライコネンはウルトラで苦労したと本人がコメントしています。
ハミルトン、ボッタス、ライコネンは序盤同じ状況だったと言えます。ベッテルだけがウルトラをオーバーヒートさせずにペースアップ出来ている事が謎な部分です。
考えられる点でいけばドライビングスタイルとしか言いようが無いです。今年これまでにないくらいフェラーリはレーキ角を付けたセッティングにしています。レーキ角と言えばレッドブルのスタイルでベッテルが4連覇したころのマシンの感覚に似てるのかもしれません。
結論はベッテルがタイヤの使い方が今回は、ズバ抜けてうまかったとしか言いようがありません。
デグラデーションはどうか?
アルバートパークは低μ路という事でデグラデーションと言う面では、かなり小さかったと言えます。序盤路面温度が40℃とかなり高くなったのでウルトラを作動させるのが困難になってしまってますが、ピットイン後のソフト、スーパーソフトは安定したタイムを出せており。フューエルエフェクト(燃料量に比例したタイムへの影響度)分が丁度よくタイヤのデグラデーションと相殺されていたようです。
燃費もギリギリだったようですので燃料105kgを使い切った計算では1.842kg/周となり、推測値ですがフューエルエフェクトが0.36秒/10kgだとしたら(バルセロナが0.31秒)1周あたり0.0663秒となります
この0.0663秒が今回のアルバートパークサーキットのデグラになります。
今後の路面μの高いサーキットではどうなるかわかりませんが、ピレリタイヤが使いやすくなった事は事実です。
まとめ
ピレリタイヤがピレリの発表通り、デグラが少なく摩耗を気にせずに走れるようになったのが確認できました。
ただオーバーヒートするというドライバーのコメントが多く気がかりな部分でもあります。トラフィックなどで頻繁に起こるようですが空力の影響によるものでしょうね。
また、ピット回数は少なくなったけどコース上の戦いが面白くなったと感じました。
次回の中国GPにはかなり期待しています。あの2本のロングストレートは圧巻ですから。