完全な新規サーキットとなったカタールGPは、全てのバランスに優れたメルセデスとハミルトンに惜敗。
そんな中でフェルスタッペンは、2位とファーステストラップを記録する最大限のダメージリミテーション、ペレスは11番手スタートから4位となる。
好グリッドを得ていたアルファタウリは、タイヤ戦略に失敗してノーポイントレースとなっている。
カタールGP予選タイム差+0.455秒
※比較タイムはフェルスタッペンの抹消タイムにしています。
順 | ドライバー | F | T1 | S1 | S2 | T16 | S3 | タイム | Gap | Tyre |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAM | 310 | 319 | 26.450 | 26.922 | 278 | 27.455 | 1:20.827 | C3 | |
253 | 279 | 315 | ||||||||
2 | VER | 310 | 319 | 26.554 | 27.185 | 280 | 27.543 | 1:21.282 | 0.455 | C3 |
250 | 278 | 312 | ||||||||
3 | BOT | 310 | 320 | 26.739 | 27.144 | 279 | 27.595 | 1:21.478 | 0.651 | C3 |
251 | 280 | 315 | ||||||||
4 | GAS | 310 | 321 | 26.778 | 27.267 | 281 | 27.595 | 1:21.640 | 0.813 | C3 |
250 | 280 | 314 | ||||||||
5 | NOR | 316 | 326 | 26.669 | 27.516 | 279 | 27.546 | 1:21.731 | 0.904 | C3 |
252 | 281 | 319 |
レッドブルは、スプーン型ミドルDFリアウィングにDRS時にストッパーが機能しない問題が発生していた。
予選前に急遽ハイダウンフォース型に交換、前後バランスが取れていない、強くなり過ぎたリアグリップによりアンダーステアに陥っている。
フェルスタッペンはそれに対しドライビングでアジャスト出来たが、ペレスはQ2落ちの11番手になっていた。
マシン素性的にコーナー区間で勝つ事がレッドブルのスタイル、予選でバランスが狂ったとコメントしているボッタスにすら負けるセクター2タイムがそれを物語っています。
最終コーナーからの加速で差がつきますが、メルセデスは各加速区間のエンドポイントでMGU-Kパワーをカット、その分をストレートに多く割り振っている。
金曜日の午前と午後でリアウィングを変えた事からも、シミュレーション不足であり。付け焼刃のエネルギーマネージメントでは太刀打ち出来ない、そんな感じかなぁ。
カタールGP決勝タイム差+25.743秒
フェルスタッペンは、予選時にダブルイエロー無視のフルスロットルでタイムを更新、タイム抹消と5グリッド降格ペナルティを受けた。
レッドブルは7,11番手スタートと大きなハンデを背負っていた。
スーパースターターフェルスタッペン
7番手スタートだが、得意のスタートで一気に4番手に上がる。
トップのハミルトンとの間には、アロンソとガスリー、ガスリーはストレートで若干速いため簡単には抜けない。
しかし、Lap2の最終コーナーでミスしたガスリーをオーバーテイクした。
Lap4のターン1でアロンソをあっさりとパスするフェルスタッペン。
付け過ぎ気味のリアダウンフォースは、乱流に影響される事無くセクター3で追走出来る、最終コーナーで接近出来てストレートでDRSを使って抜ける。
加えてこのサーキットの削れた路面と温度は、空力効果を失ってもリアタイヤのオーバーヒートを抑える事が出来た。
簡単に本来の2位に戻ってきたマックスにあっぱれ!
ペレスのオーバーテイクショー
スタートで9位に上げていたペレス、追い上げレースが始まった。
Lap5角田、Lap8サインツ、Lap9オコン、Lap13ガスリー、Lap16ノリスと次々にパス、これで4位まで上げた第1スティント。
Lap20にハードへ交換し12位まで下がる。
Lap23ベッテル、Lap25リカルド、Lap28ルクレール、Lap29アロンソ、この間ピットストップなどのアップもあり4位まで上がる。
ハードは40周行ける為、タイヤを労わり前のボッタスがピットインしてしまえば3位確定となるはずだった。
ここで前を走るボッタスの左フロントタイヤが破断する事件が発生。
フェルスタッペンは、バイブレーションを訴えていてピットイン。これにより安全策を取ったチームはペレスもピットインさせる。
Lap42にミディアムへ交換し7位まで下がる。
Lap46ストロール、Lap48オコンをパスして5位まで上げる。
Lap51、前のノリスはハード24周でピットへ、パンクしていました。
これで4位になったペレスですが、3位アロンソとは13秒もあり到底追いつける差では無い。
そして、ハード30周以上経過したウィリアムズ2台にが立て続けにタイヤの破断パンク、ラティフィのマシン撤去のためVSCとなった。
結果的に3位アロンソのタイヤに問題は起こらず、4位となったペレスです。
アルファタウリの低迷
共にソフトスタートだったアルファタウリ、そのソフトでペースが無く、早めにタイヤ交換を決断。
そして、遅いマシンに引っ掛かりタイムロス、新品タイヤのいいところを無駄にしてしまう。
ソフトタイヤで一発タイムは出せるがロングランは苦手、ピットストップロス25秒を跳ね返せるペースが無かった。
中団勢は、ペースコントロールした1ストップで走り完走。
破断パンクの危険を回避するために右の高速ターンをケアすることの方が速かった。
2ストップ戦略は破断パンクと言う、後からわかった事に対しては有効だったが、序盤の動きが早すぎた。
まとめ
メルセデス&ハミルトン強し!レッドブルはセッティングで迷走、これでは勝てない。
フロントダウンフォースが弱すぎて、レース中にフラップを後1,2上げれると言ったフェルスタッペンの無線が真実でしょう。
ミドルダウンフォース仕様にフラップ問題がなかったらどうだったか?
最高速や加速の面ではメルセデスと同等にはなった思うけど、タイム的には足りなかったと思う。
ハイダウンフォースで、最初から空力バランスが整っていたとしても、総ドラッグ量の多さが足枷になっただろうし、難しいマシンだわ。
ハイダウンフォースでフレックスなら勝ってたかなぁ?
フレックスウィング前提マシンだからこそ起こったバランス問題だと思う。
- フェルスタッペン351.5←8p←ハミルトン343.5
- メルセデス546.5←5p←レッドブル・ホンダ541.5
ドライバーズでは 8p差のリード、コンストラクターズでは5p差のビハインド。
あと2戦でこの差、痺れるねぇ。
The Race 技術解説 日本版的 JIN氏考察で、既にRedBull車体のマシンバランスの調整の出来については記載され勉強になります。
加えて、公式F1が Qualifying & Race Pace をFP1&2 データからSimulationする記事が毎レース提供されていますが、QatarGP版では、They held the edge over one-lap pace and in race simulations, based on our data, and were quicker than Red Bull in slow, medium and high-speed turns. They are just 0.07s behind Mercedes in qualifying…
データに基づくと, Mercedes は1周ペースとレース・シミュレーションで優位に立ち, 低速~中速~高速ターンで RedBull よりも速かった. RB Hondaは、予選Trim;調整⁉︎で Merce に0.07秒遅れ, レースペースでは0.1秒遅れ ている. とありました。
このため、JIN氏考察の通り、ここ数戦は、RB16BがW12との低速~中速~高速域の全てのターン=全セクターでの回頭性=速さの競争性で及ばず、これが予選ペース & 本戦=ロングラン・ペースでもみられる。
まず、この点を、コース特性に応じた、オール・マシンパッケージとしての(特に車体)調整を、気温や風向き含めた天候変化、それらの路面温度とタイヤへの影響など様々な面の考慮が必須ですが、RedBullの車体特性かつ伝統的なお家芸でもある低速そして中速域の回頭性の優位性をMercに勝るように、残り2戦時に見出さす or 取り戻せれる事を強く願います。また、基本的なRB16Bバランス・セッティング面で、特にFP3ペースでCheco Perez選手がMerceに割って入るほどRB16Bの調整面が熟成されると、QF & Raceに向け幸先良い兆候という印象です!?
AlphaTauriのレースでの結果は、戦略などチーム力も影響しているとは思いますが、それら含めex-ToroRosso時代から好感をもたれる両面を理解しています(笑)。ただ、辛口のコメントでは、Max Verstappen選手 や Lewis Hamilton選手の様に、そのレースでのレースカー・ポテンシャル以上の印象を受けるドライビングをする2人は別格な印象ですが(レース全周回を通して概ねミスをしない高いスキルと高次的な集中力、また、それをシーズン通す一貫性)、AlphaTauriは、例えば、シーズン当初はFerrariよりも競争性は勝っていた印象でしたが、Ferrari両ドライバーとのポイント差は、ミスが許されないトップチームのプレッシャー及び責任度に加え、上述の点も異なるのではという印象です!?
“We are all eager for Red Bull Honda and Max Verstappen to win the 2021 season title. 私達は皆, RedBull Honda 及び Max Verstappen 選手の2021シーズン・タイトル獲得を強く強く願っています.”
レッドブルがバーストの件でピレリに文句言ってタイヤや修正された事が逆に仇になった可能性が気になります。
最初の頃はメスセデスはかなりタイヤに苦しんでたハズなのに今では固めのタイヤが圧倒的にマッチしてますよね。
それだけメルセデスの修正力が高い可能性もありますが調子のいい時は余計な事言わない方がいいのにと思ってました。
とにもかくにも残り2戦ですが来年以降の事を考えるとどっちか片方だけでもタイトル取って欲しいですね。
意外にボッタスが俺はもう邪魔しないから二人で決着つけなよって感じの冷めたドライブになってるので付け入る隙はありそうです。
今回の解析では非常に辛いレッドブルのマシン事情が浮き彫りになってしまった。
しかし、この後の2戦はもうハイダウンフォースリアウィングは使わないので問題なし!
ジェッダはアゼルバイジャン仕様のリアウィング、アブダビはミドルになるでしょう。
最初からリアダウンフォース発生量が決まっていれば、レーキ制御も上手く出来るはず。
ジェッダはグリップレベル次第ではサスペンションがしなやかなレッドブルが有利かもしれない。
そして、スロットル踏みっぱなしの切り替えしが多く、内圧はパンパンになるはずなので、それらの絡み合い次第では・・・。
やっぱりパンパンですかね?
ドライバーの意見としては、前触れも無くバーストしたと言ってるドライバーと、バイブレーションがあったからタイヤ交換したと言っているドライバーがいるようですが、1ストップが無謀だったか?と言われると完走してるマシンもいるのだから、4台もバーストしてるのは、バクー同様にタイヤの問題としか思えませんね。
ロサイルでの内圧はどうだったんだろ?
いつも通りだったとしたら、ピレリ何やってんねん!って感じしかしません。
フロント22.0、リア19.5です。
リアは構造変えてますけど、フロントはそのままですからねぇ。
ロサイルのターン12、13、14は、ステアリングをグイグイグイと3回圧がかかるので、それででしょうね。
ジェッダは280km/h以上で左右に振るので、リアは高めでしょう。
ジェッダは当初メルセデスのリアサスが機能しやすいって言われていたけどゲームでのタイムアタック見る限りだと本当に280km/hレベルの高速コーナーだらけなのでリアサスは機能しにくいかもですね
それにたわむリアウイングが規制されたって噂もあるし今回のタイヤ破損を受けて次は内圧上げられるって意味ではメルセデス不利になる要素増えてるのでレッドブルは頑張らないとですね
モタスポ管理人様のおっしゃる通り今後はちゃんとシャシー面でセッティングが決められるかがカギになりそうですね
ボッタスとペレスのドライバーランキングですが、
ペレスが残り2連勝して+ファステストラップ1ポイントを上げれば
ボッタスが2戦とも2位フィニッシュ+ファステストラップ1ポイントしても自力でランキング上回る事が、理論上ですが可能ですね。
それは現実的ではないですが、
少なくともペレスはボッタスよりも前でフィニッシュしてポイント差を埋めるとコンストラクタータイトルに近づける?
トップ(マックス)はトップ(ハミルトン)同士でドライバータイトル、セカンド(ペレス)はセカンド(ボッタス)同士でコンストラクタータイトルそれぞれ決着をつけるのが最も劇的かと。
山本サン、田辺サンは「悔いが残らない戦いをする」と言ってるのに
このまま負け続ければ悔いが残るでしょう。
ホンダがアブダビで、一戦限りのアルティメット・モードを開放して
ファンの期待に応えてくれると信じてます。
残り2戦メルセデスはハミルトン車にだけ力を入れますでしょうか?
忙しくなってボッタス車にまで手が回らない?