2017年で参戦3年目となるホンダのF1プロジェクトですが、この2年散々たる結果で、世界中のファンを悲しませてきました。

今年は本気の正念場となるのは間違いないと思います。てか今年表彰台争いぐらいはできないと、マジでつまんないよ。

今年の新エンジンの改良ポイントを探っていきたいと思います。

Sponsored link

レイアウト変更でメルセデス型へ

ホンダは昨年、2017年に向けたエンジンの開発に関するインタビューにおいて、責任者の長谷川さんがメルセデス型に追従すると思わせる回答をしています。

 

メルセデス型レイアウトの特徴は、コンプレッサーがエンジン本体前に位置してMGU-HがVバンクの中そして排気タービンがエンジン後方に位置しています。そしてそれらをシャフトで繋いでいます。

出典:http://en.f1i.com

現行のホンダのレイアウトはコンプレッサーとMGU-HがVバンクの中にあり、排気タービンがエンジン後方に位置しています。メルセデス型の優位性は、大きなコンプレッサーが使える事とコンプレッサー・排気タービン・MGU-Hをシャフトで離すことで冷却問題を解決しています。

 

この比較図を見るとそこまで大きく違う訳ではありません、大まかにコンプレッサーの大きさとその位置が違う程度です。

ホンダパワーユニットレイアウトに関する予想記事はこちらです⇩

F1-2017ホンダパワーユニットのレイアウト予想:単なる真似では無い!

コンプレッサーを大きくする

ホンダはパワーユニットを小型にするためにコンプレッサーをVバンク内に配置しています。そもそもこれがホンダエンジン最大の汚点とも言っていいほど間違った設計です。狭い場所に配置したためサイズ変更ができない、エンジンの熱の影響を直接受ける、熱の影響が大きいため圧縮した空気がさらに熱くなり燃焼効率が悪くなるなど良くない事ことだらけです。

 

コンプレッサーはある程度の大きさが必要となります。大きければ大きいほどパワーが出せますがその分圧力が一定のレベルに達するのに時間がかかってしまいます。いわゆるターボラグと言われるものです。

 

このターボラグを解消するために直結したMGU-Hでコンプレッサーを回すので、MGU-Hの発電量は今以上に必要になるでしょう。昨年はこのMGU-Hの発電量に関してはメルセデス並みになったと思われています。

Sponsored link


ジェットイグニッションのようなものを採用

エンジン本体のパワーアップに欠かせない技術が、燃焼効率のアップでそれを実現させるのがジェットイグニッションと言われています。

 

ジェットイグニッションとはマーレ社の特許技術で、シリンダーの中で直接点火するのではなく、シリンダー前で燃料に点火させ火炎放射の状態でシリンダー内圧縮混合気と爆発させる技術です。

出典:http://www.mahle-powertrain.com

直噴エンジン規定のあるF1ではこのまま使用する事はできません。マーレと提携しているフェラーリはこの技術を直噴エンジンで再現して燃焼しているものと思われます。昨年大幅にパワーアップしたルノーもこれらに追従する形で燃焼技術を確立しています。

 

ホンダは今年ジェットインジェクター使用した燃焼技術を投入してくると予想されており、大注目なポイントとなりますね。しかし新技術にはトラブルはつきもので、どれだけ早く開発されてベンチテストでマイレージを積み上げているかが気がかりですが、あっと思わせるパワーを発揮してもらいたいですね。

ジェットイグニッションの考察記事はこちらです⇩

F1エンジンのジェット・イグニッション(インジェクター)技術を考察してみる。

大幅改良になるホンダエンジン信頼性は?

今年は、ほぼ完全新設計のパワーユニットになるため信頼性については無いに等しいと私は思います。

たったの半年ぐらいの開発期間でこれらを統合していくのは、どう考えても無理があります。昨年大幅に改良してきたフェラーリは序盤そうとう苦しめられていますし・・・。

 

パワーアップと信頼性の融合は、今年の最大のテーマです。信頼性なくしてレースは成り立たないし、また速さがなくては勝てません。

トークン制度がなくなった今年は開発し放題ですから、エンジン交換ペナルティを受けてでもパフォーマンスアップされたスペックを投入していってもらいたいですね。