世界耐久選手権(WEC)で2015年圧倒的に速かったポルシェはF1に似た回生技術を採用している。

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回生システムを3つ搭載しているポルシェ

エンジンは2000ccのV型4気筒のシングルターボで約500馬力を発生する。回生エネルギー量は8MJでこれに3つのMGU(電気モーター)を搭載していて総パワー合計は1,000馬力を超えていると言われています。

ラップタイムはF1の下位チームであるマノーあたりと同等の速さがあります。

 

ライバルのトヨタはNA3700ccV8エンジンで回生エネルギー6MJ仕様、アウディは4000ccV6ディーゼルターボエンジンで回生エネルギー4MJです。

 

ポルシェのMGUの内容は以下の通りです。

  1. ブレーキング時に発電
  2. 排気タービンでの発電
  3. ウェストゲートに取り付けたタービンでの発電

F1で言うところのMGU-Kは駆動力に直結したモーターで、kw数はWECでは無制限となっていますので、相当出力のあるものを採用しているはずです。

このハイブリッドモーターは前輪と後輪に取り付けられ作動させた時は4輪駆動状態になりコーナー脱出時の加速を安定させる事ができます。

 

そして排気ターボにつながったMGU-Hがあり、そして更にはウェストゲートにもタービンを設置してMGUを回し発電しています。排気を余す事無く利用しています。

 

これにより、ル・マンのサルテサーキットが基準となる1周あたり8MJの回生量を確保しています。

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WECのレイアウト自由度があらゆる回生技術を効率化

WECではあらゆる面で自由度高い。特にエンジン関連のレイアウトなどの規制は無いです。

 

F1ではターボの軸、MGU-K、クランクシャフトは平行で無くてはならないとなっています。さらにMGU-Hとタービンとコンプレッサーは機械的繋がっていなければならないなど、かなり規定が細かいです。

 

回生エネルギーを得るためのMGUは熱に弱いのが特徴ですので、WECではレイアウトの自由度の高さによりこれを冷却効率の良い場所の設置することができます。

 

開発者は自分の思った通りの場所に設置できるのです。F1ではこれはできません。

 

WECではこの自由度の高さが、色々なエンジンを生み出しています。

特にメーカーは自分の得意分野で開発できるのが魅力のひとつでしょう。

 

WECで始まった回生エネルギー戦争

2015年ポルシェが8MJでWECを絶賛した事で、ライバルのトヨタ、アウディはどうするのか?

アウディは2016年に向けて早速マシンを発表しました。

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この外観すごいですよね、あのフロントノーズなんか数年前のF1でしょう!フォーミュラカーにスポーツカーのカバーをつけただけって印象です。

 

回生エネルギーは6MJを採用し、エネルギー貯蔵システムは機械式フライホイールをやめてリチウムイオンバッテリーになります。

 

トヨタはいまだ発表はありませんが、現行が6MJなので8MJの採用に踏み切るでしょう。悲願のル・マン制覇のためには開発を止めることはできません、新マシンに向けて検討と評価を繰り返し最適なマシンを投入してくるでしょう。

 

このWECの回生エネルギー戦争は本当に面白くなりそうです。市販車に技術がフィードバックされるのもかなり早い段階で採用されていくでしょう。

 

F1はもちろんポルシェが採用した排気エネルギー回生技術は、いずれ市販車に必ず採用されるのでこの戦いの行く末を見守っていきたいと思います。

2017年はアウディが撤退してしまい、トヨタ対ポルシェの2強対決となります。

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