2026年からF1のモーター(MGU-K)は350kwになりました。
SOC(最大充填量)は変わらず4MJです。
4MJを350kwで使うと、4,000,000/350,000=11.43秒で無くなる計算になります。
F1 2026 オーバーテイクモードとは?
先ずは前提条件して、回生(充電)量無制限は撤廃されています。
サーキット毎にラップあたりの最大充電量が決められます。オーバーテイクモードは前走者の1秒以内に入った時に+0.5MJの充電量が許されます。
中国GPでは通常8.5MJ、オーバーテイクモード9.0MJになっています。
通常モードとオーバーテイクモードの切り替えなど
チームがあらかじめ用意するエネルギーマネジメントプログラムは主に4つ必要です。
- 予選ラップ
- レースラップ
- オーバーテイクモード
- アウトラップ
予選ラップとオーバーテイクモードはラップ毎充電量が同じになる傾向があるでしょう。
ちなみにオーストラリアGPではレース8.0、オーバーテイク8.5、予選7.0と全てが違う場合があります。
リチャージ(回生・充電)の種類
- スロットルオフ時
- ブレーキング時
- ハーフスロットル時(エンジン出力に対してモーターで充電)
- フルスロットル時(エンジン出力全開+モーター充電250kw)
- フルスロットル時(アクティブエアロON+エンジン出力全開+モーター充電250kw)
5はスーパークリッピングと呼ばれるもの、アクティブエアロ作動中のストレート終盤でモーター出力0ではなく充電抵抗を発生させて貯めます。この場合は▲250kwまでと規定されています。
仮に、エンジンが最大500kw出力している時にモーター▲250kw、250kwで走行している状態になります。
3のハーフスロットル時は様々な制御方法がありはっきりとはわかりません、代表的な例としてはモーターの出力と充電を約20hz(20回/秒)で切り替える方法があります。
スロットルのトルク要求に対するモーターの出力
ドライバーのフルスロットル要求に対するモーター出力は最低200kw、フルスロットル期間中に増加させる事は出来ません。
- ドライバーがブーストモード、オーバーテイクモードを選択すれば出力を増加出来る。
フルスロットル時のモーター出力削減は100kw/秒が基本になります。(いきなり350kw→0kwになって大失速、後続のマシンが追突する危険を回避する為)
フルスロットル時にモーター充電250kwを作動させるには最低出力200kwでも2秒後からになります。(4.5秒後に▲250kwに到達)
これはドライバーは選択できず、チームが用意したエネルギーマネジメントマップにあらかじめ組み込まれていなければなりません。
まとめ
レギュレーションから分かり易く解説したつもりですが、自分自身まだまだ理解できておらず、読み返すとわからない部分が多いです。
このレギュレーションが決まった時ホンダは、エンジンはいつでもフルパワー稼働させてモーターの充電モードを多用するようなコメントをしていました。
それらは否定されており、エンジンを発電機にする使用方法は大きく制限されています。
特にドライバーのスロットル操作に対するトルクは「単調」に増加しなければならないと言う大前提があります。
そしてスロットル100%ではモーター出力も100%になっている必要があります。
ラップ辺りの8.5MJだとフルパワー350kwを24.2秒間しか使えない事になります。
仮にモーター最大出力を300kwに設定してエネルギーマップを作り、追加の50kwはドライバーのブーストボタンに任せるなどのプログラムを作れます。
中国GPにおけるモーター出力削減特例ゾーン、T7~T9、T11~12では一気に充電されている様子が放送用オンボードのバッテリーマークに表れていました。
エンジンを発電機として充電しているのは確実ですが、どのような細かい規則があるのかまだわかっていません。



コメント Comments
コメント一覧
tm がコメント
2026-03-16 06:52
アクセルと出力が比例しないといけないレギュレーションがあるから単純に右足フルスロットルのまま左足ブレーキで充電に入るんだと思ってました。
単純にハーフスロットルでICE全開、半分充電とかに回してしまうような制御では充電はできてもコントロールできないので面倒な制御になってるんでしょうね
ラッセルがミリ秒単位で制御してるとか言ってるし
パターン多すぎて0.1秒単位くらいで全件シミュやらせるかAIにやらせるかどっちが効率が良いパターン見つけるか迷いそう
Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント
2026-03-16 13:18
ハーフスロットルの制御はドライバーに対して違和感の無いようトルクを増やさなければなりません。
例えばですが、Kは100kw出力150kw回生→これを秒間20回切り替えます。この時スロットルを徐々に踏み込んでいる状態なのでエンジン出力は上がっていきます。
スロットル1%~60%まではこのような設定にして61%からは出力のみにするといった感じです。
Kを使ったトラコンみたいな使い方になります。
メルセデスのトラクションの良さは、各ターンにおけるハーフスロットル時のKによる回生制御がずば抜けて良い事も上げられます。
tm がコメント
2026-03-17 07:36
ありがとうございます。
そういう制御なんですね、ミリ秒単位で制御ってどういうことなんだろうと思ってました。
ハーフスロットルの間はICEは100%開けて、MGU-Kの回生、出力変動で出力アップを演出?するんだと思ってました。
F子 がコメント
2026-03-17 07:34
新しいレギュレーションと車
も~とっ散らかしててはじめは??でしたw
今はスーパークリッピング位は理解できてますw
(初めはえらい角度でコーナー攻めるのか!?位の印象でした)
HONDAエンジンは苦労してるみたいで政治的なあれこれも
絡んできて、先がまだみえませんね
いろんな情報見てると出力を抑えてる・・とかなんとか・・・
って事は馬力解放したら速いのだろうか?それとも振動で壊れる??
スタートできない車も居たり、レース中に壊れる車も居たりですが
あすとんホンダと、どっちが幸せなんでしょうね
がコメント
2026-03-18 02:27
素朴な質問ですがレース途中クラッシュなどアクシデント発生してセイフティカー導入した場面では3もしくは4で不足した電力を充電で蓄える状態になるのでしょうか?
Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント
2026-03-18 10:54
SC中は満充電するのが基本ですね、アウトラップで使われるようなモードを選択しているはずです。
厳密にいえばSCモードが存在しているはずです。
主な4つあげたのはあくまでも最低限の話です。
チームは様々なERSモードをつくっておりドライバーがボタンなどで選択します。
ピットロードモードまま走り加速しないと言うドライバーがたまにいます。
がコメント
2026-03-18 11:26
セイフティカーが解除されレース再開した最初の1周が見ものですね。
タップリ満充電完了したマシン同士がポジションアップ狙える最大のチャンス。
がコメント
2026-03-22 17:24
“Maximum PU Power Reduction Rate: -100kW/s”は1秒あたりのPU出力の変化率上限を-100kW/sに定めているので、スーパークリッピングの最大回生パワーを-100kWに制限するものではないのではありませんか?
スーパークリッピングの最大回生パワーは-250kWだったと記憶しています。
Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント
2026-03-22 10:49
おっしゃる通りでした。一つ古いレギュレーションを見ており間違っていました。
ご指摘ありがとうございます。訂正しておきます。
FIA 2026 F1 Regulations – Section C [Technical] – Iss 15 – 2025-12-10
C5.12 パワーユニットのトルクまたは電⼒需要
C5.2.8条に準拠する場合を除き、フルスロットル出⼒制限保留期間の開始時にドライバーの最⼤出⼒要求を150kW以上低下させることはできず、出⼒低下は最低1秒間一定のままとなる。さらに、B7.2.1条の規定に従い、特定のサーキットセクターについては例外が認められる。
さらに、総電⼒削減は最⼤600kWに制限されており、その結果、ERS‑KのDC電⼒は‑250kW以上を維持する必要があります。
ベラチカ がコメント
2026-04-01 19:30
レギュレーション変更してMGU-K出力を絞って、その代わり最大燃料流量や最大吸気圧を上げてICEの出力を増やすとか簡単ではないのですかね。電気が切れた瞬間出力が半分近くになるっていうのがネックのような気がするのですが。
Jin(F1モタスポGP管理人) がコメント
2026-04-01 09:30
色々考えてるみたいですね、案は出力200kwで回生350kw
これだとパワー落ちるのでICE上げたいですね~
ブーストを上げれば解決できますよ4.8bar→5.8barとかですね、但し燃焼室は作り直しになるので来年は難しいかもです。
F1側がPUメーカーに追加予算を配れば乗り気になりそうですがwもちろん開発時間もです。
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