とうとう始まったF1と言う名のお金の無駄遣いレース・・・いやいやいや、スピードに魅せられ、それを追求する事で世界一を決めるロマン溢れるレースです。

開幕の地オーストラリアのアルバートパークサーキットでは、意外な事が次々と起こり混沌とした始まりを告げました。

 

予想?データ?そんなの関係ねぇ!(ここ小島よしお思い出してね。)

 

速い奴が勝者だ!と言わんばかりの結果でした。

 

でも何故なのかを、知る事でもっともっと楽しくなっていくのがF1の世界、私なりに感じた事をまとめていこうと思います。

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予選でメルセデスがフェラーリに0.7秒差つける

「えぇ~~~~~!!!!」っていうのが正直な感想。

驚きのタイムを記録したメルセデス、遅れたフェラーリ、両者共にまだわかっていないらしい。そしてフェラーリに肉薄したレッドブルホンダ。

理論、データを超えたものが表現され、正にF1の面白さが凝縮された予選だったって事ですね。こういう事が起きると分析好きな私は、うずいてうずいてたまりませんなぁ。

TOP3の大きく違う点は

  • フロントウィング形状
  • サイドポンツーンの幅
  • ホイールベース
  • レーキ角

アルバートパークの特徴は

  • 低μ路面
  • バンピー
  • ストップ&ゴー
https://www.formula1.com/

しっかりとテレメトリーデータを見ていませんが、アクセルオン区間でフェラーリがおくれます。特にDRS区間で遅れているのがF1が作ったハミルトン対ベッテルのオンボード比較で明らかになっています。各ターン速度もほとんどメルセデスが上でした。

動画リンク⇒2019 Australian Grand Prix: Hamilton And Vettel Qualifying Comparison

そしてベッテルが詰めた場所はDRSのないターン10~11の間、という事はフェラーリの方がレスダウンフォースな設定だったという事です。

メルセデスはDRS仕様時にドラッグが減少するのか、単順にパワーで上回っているのかまではわかりません。

ダウンフォース発生量の違い

上記の事実からも、全体的なダウンフォース発生量は

  1. メルセデス
  2. レッドブル
  3. フェラーリ

の順だったと言える。

特にフロントウィングでの発生量の違いが、大いに関係してくると思われます。新規則の幅広になったフロントウィングは、ドラッグを少なくしてダウンフォースを稼ぐためのディフューザー構造に出来なくなっています。

これでは、レーキによって路面に近づけても効果は薄い。不足分はフラップを立てて稼ぐ以外にはないはず。メルセデスのあの面積を見れば一目瞭然ですよね、これでリアとの前後バランスは整います。

一方フェラーリは翼端版側を低くして面積が少ないタイプです。その発生量に合わせてリアウィングの設定も必要となるので、バランスは良いけど、全体的にはダウンフォース発生量は低くなる。

グリップレベルが低い路面とストップ&ゴー

アルバートパークは滑りやすい路面で、ソフト側のタイヤ設定なのはそのためです。

なめらかな路面に対しては、タイヤを押し付ける、入力が多いマシンが有利です。メルセデスとレッドブルはこれに合致したと思えますが、フェラーリは足りてない。特にターンイン時の遅れは大きく、ブレーキングが長めになっています。

車の向きが変わるのが遅いために、アクセルオンも遅くなり結果としてストレート全体が遅くなってしまいます。

 

スムーズで速く走れていると感じるほどにバランスは良いけど、+αなグリップレベルには到達していないために、スピードが実は遅くなっている。

タイヤのスイートスポットを完全に外しているが、ドライバーが気づかないほどにマシンからはフィードバックがないのでしょう。ターン13だけメルセデスを上回ったのはグリップレベルがそこだけ高かったからだと思います。

https://twitter.com/F1

決勝で燃料セーブ作戦

フェラーリのもう一つのミスは燃料搭載量を見誤った事です。

決勝では14周終了時点でベッテルがピットイン、ハミルトンとの差は4秒にもなっていた。この時点でベッテルの優勝は完全に無くなった。

そして中盤から終盤にかけては、燃料をセーズするリフト&コーストで走行しています。使用燃料量が110kgに増加しているのにも関わらずこのような事をするのは、スタート時のマシンを軽くするために取った作戦で決して燃費が悪い訳ではありません。

アクセル全開で攻めた走りをするよりも、軽くしてラップタイムにして約0.3秒/10kgの方をとったのです。

 

しかし、このコースはフューエルエフェクト(燃料の重さがタイムに影響する度合い)よりもパワーエフェクト(パワーがタイムに影響する度合い)の方が大きいと川井さんは説明していました。

燃料セーブ走法よりもアクセルオンで攻めた方が速いって事ですね。

そんな状況を証明するかのように、ベッテルのペースは遅くフェルスタッペンに抜かれた後は、離される一方でした。

※F1-LT2019年版は、なんとスピードトラップデータを一切見る事が出来ませんが、テレメトリーデータによるとベッテルとルクレールはスピードトラップ位置ではアクセルを踏んでいませんでした。

セットアップ間違いを疑うチーム代表

メルセデスのヴォルフ、フェラーリのビノットの見解は一致しており、セットアップの間違いを疑っています。

フェラーリは週末を通してタイヤを機能させる事が出来なかったと発言、メルセデスはバルセロナであれだけ速かった事を除外せず、フェラーリの単なる間違いを指摘しています。

レッドブルに関しては、この両チームに対しポテンシャルがまだまだ追いついていないのが現状と言えるでしょう。

 

テストでは荒い路面と路面温度28℃、今回はなめらかな路面と路面温度44℃、車が滑るという事は余計に発熱している事になりますが、ベッテルはM(C3)よりもS(C4)の方が快適だったと発言している事からも、グリップレベルが低いタイヤではホイールスピンにより発熱しすぎた事によるオーバーヒート現象があったと思われる。

ルクレールは逆にH(C2)の方が快適だったと発言しており、タイヤの温度が適切に管理されたためと思われます。

※硬いタイヤの方がワーキングレンジ(作動温度領域)が高い

 

タイヤのワーキングレンジをちょっと間違うだけで、このような差になってしまう繊細なF1マシンです。

今回はフェラーリのダウンフォース不足、特にフロントのが私の持論です。