2017年のF1はタイヤや空力パーツの大改革により燃費がきついとの噂があります。プレシーズンテストにて各エンジンサプライヤーが「燃費がやばい」と苦言したとの情報があります。
新たな燃料規制制限も含め検証していきます。
使用燃料量と燃料流量制限
2016年の決勝での燃料量は100kgでしたが、今年は105kg(約144ℓ)になります。
燃料流量制限は回転数で細かに設定されている。回転数×0.009+5(kg/h)の計算式+上限100kg/hとなっているので普段レースで使われている常用回転域での流量は以下になります。
- 8,000rpmでは77kg/h
- 9,000rpmでは86kg/h
- 10,000rpmでは95kg/h
- 10,500rpm以上は100kg/h
最大限加速している時は、大体10,000rpm~11,500rpmでギヤチェンジしていくので、アクセル全開の時はほぼ100kg/hの燃料消費をしていると考えていいでしょう。
燃料流量100kg/hとは1秒あたり約27.8gとなり、回転数10500rpm以上で燃料を消費しつづけると約63分で無くなる計算です。
燃料の配合規制
2017年より1シーズンで使用できる燃料の配合パターンを5種類とし、レースの週末に使用できるのはその内の2種類に制限される事になっている。
去年までは配合パターンが自由だったって事ですね。基本的に気圧と湿度の変化に対応する配合パターンになるので予選用と決勝用があり21レースあった昨年は少なくとも42種類の配合パターンがあったと思われます。
メルセデスがペトロナスと強固なパートナーシップを築いているのもうなずけますね。
燃料供給メーカーにかかる負担は今年大幅に減る一方で、どこでもパワーを発揮できる燃料が必要になります。新規参戦燃料メーカーには相当なハンデになる。マクラーレンホンダが新規契約したカストロールは大丈夫でしょうか?
レースでの燃費について
前置きが長くなりましたが、燃費について検証していきます。一番わかりやすいサーキットの全開率を指標にしてみましょう。
しかしながら最近の全開率データが、どこもかしこもバラバラで最近のデータが無いので困ってしまいました。
motorsport.comの記事にてあるチームのエンジニアから情報提供を受けたという内容をもとにします。この中でテストが行われたバルセロナが全開率20%もアップするとの事です。
- バルセロナ全開率50%⇒70%
2016年の燃費考察
バルセロナで昨年優勝したフェルスタッペンの平均ラップタイムは約1分32秒です。66周のレースにおいて全開率50%のアクセル全開時間は3,036秒(約50分)でした。
昨年までは、100kgの燃料量でしたので単純に60分全開で走れたはずです。燃費については問題なかったと思われます。
2017年の燃費考察
ラップタイムを4秒短縮して1分28秒になると仮定した場合、66周でレース時間は5,808秒となり全開率70%のアクセル全開時間は4,065秒(約67分)となります。
こんな単純な計算ですが、すでに燃料不足になってしまいました。常に全開で走ることは困難になります。
今年のバルセロナは燃費走法であるリフトアンドコースト(惰性走行)が重要になりますね。
ドライバーは常に全開で走りたい
ピレリタイヤが、今までと違い十分攻め込める頑丈なタイヤになった事をドライバーは喜んでいます。いつでも全開で攻めれるタイヤが出来たけど、今度は燃費走法に悩まされるF1ってどうなんでしょう?
ルノーの責任者が自ら言っていましたが、F1の燃料量制限を撤廃しようと。スピードを追及するのがF1であって耐久レース要素は不必要だと声を上げています。私もそれには賛成ですね。流量制限だけで十分だと思います。
ドライバーが常に全開で攻められるF1が帰って来ることを私は願っています。あなたはどう思っているでしょうか?コメント頂けたら嬉しいです。