過去にあったF1技術に迫る!今回はダブルディフューザーについてです。
Double Diffuserは2009年ブラウンGP BGP001に搭載されたもので、ディフューザーの効果を大きく引き出すものでした。
ブラウンGPは2008年で撤退したホンダワークスチームの後継で、急遽メルセデスV8エンジンを搭載し前半戦に圧倒的強さを発揮、ジェンソン・バトンがこの年のチャンピオンに輝きました。
その強さの核たる部分がこのダブルディフューザー、ホンダチームの忘れ形見とも言われるこのソリューションを研究していたのは、ホンダ栃木研究所と元スーパーアグリのエンジニアだった。
レギュレーション解釈を逆手に取ったものであり、発生するダウンフォースは他チームの追従を許さなかった。
ダブルディフューザーのデザイン
2009年よりディフューザーは、リアアクスルから長さ350mm、高さ175mm(サイドフロア部分)の規定となりました。
真ん中の規定高さ部分にに大きな空洞があります。
フェラーリとルノーは高さを守っているのに対し、トヨタは中央の150mmゾーン内で追加のボディワークを許可する規制を上手く使っています。
ウィリアムズとブラウンGPは赤い線までが規定の高さだとの主張です。
レギュレーションが曖昧だったために、これらは合法となり2010年まで使える手法になりました。
ディフューザーとは?
フロアと路面の間を流れる空気は、ベンチュリー効果により流れが速く圧力が低くなります。
マシン全体を見た時に路面近くに負圧、上面のボディには正圧がある事になり、力の向きはマシン上面から下面へ発生しダウンフォースとなります。
⇑一般的なアンダーボディの圧力分布図:青色が圧力が低く、赤色になるほど圧力が高い。
フロア下の空気流速を上げる事で圧力がより低くなる、ディフューザーはフロアの空気を吸い出しを加速させるために存在しています。
ダブルディフューザーの効果
ディフューザーの効果はその体積に比例します。
その見た目の大きさからも効果が高くなる事が、想像できると思います。
しかもブラウンGPのものは、フロアに空気口があり、そこから空気を吸い出します。
通常のリアアクスル部分から始まるディフューザーと、この空気口から始まるディフューザーの二つが存在する事から、ダブルディフューザーと呼ばれるようになりました。
このフロア下の空気口から吸い出すディフューザーは、リアタイアから発生する乱流に影響されずに、その効果は強力で安定しており、ブラウンGPは他チームより約0.5秒のアドバンテージがあったとされる。
そして、このソリューションを実行するには、ギアボックス・リアのクラッシュブルストラクチャー・フロアの形状などありとあらゆるパーツの最適化が必要になり、簡単にはコピーできませんでした。
ダブルディフューザー進化系2010年バージョン
フェラーリとレッドブルのマルチ(複合の)ディフューザーです。
チャンピオン争いした2チーム、レッドブルはこれに排気吹付けのブロウンディフューザーも投入して、ベッテルがチャンピオンになっています。
そして、この年限りでフロア中央の幅900mmに開口部を設ける事は禁じられたのでした。
バトンのチャンピオンは最高でした、まさに下剋上!
こんなペースだと面白いF1技術のネタが尽きてしまいます(笑)
あと2ヵ月も無理無理無理無理無理・・・・・。
リクエストお願いします。
ディフューザー関連だけでもまだ何個かイケますよ!笑
ブロウンディフューザーとかそこから派生したコアンダ効果を利用したエアロとか笑
フラットボトムとステップドボトム等々。
技術知識が浅い頃
ディフューザーは、全面はね上げさえすれば良いモノと思っていましたが、中央こぶ(凸)は空力的に神経質になるのを落ち着かせ押さえるためと知りました。
縦置きギヤボックスは中央こぶは必然ですが、横置きギヤボックスでも中央こぶが見られた。
昔のマクラーレンMP4/5Bバットマンディーフューザーのイメージが忘れられなかったので
次ネタは、ノーズ(特に吊り下げ式)など、どうでしょうか?