とうとう正式発表されたマクラーレンとホンダの離婚、そしてホンダはトロロッソと婚約。
色々なメディアが先んじて報道していて、大方の予想通りとなったようです。
今回の件に関してそれぞれの思惑やメリットデメリットについて簡単にですがまとめました。
トロロッソ・ホンダ誕生までの流れ
- マクラーレン「ホンダとの契約を解除してルノーにしたい」
- FIA「PU4チーム目への供給は承認が必要」
- ルノー「マクラーレンに供給するには、トロロッソとの契約解除が必要、それにはサインツがほしい」
- ホンダ「マクラーレンからトロロッソに供給先変えたい」
- トロロッソ「ホンダエンジン使いたいけどルノーとの契約解除に条件がある」
簡単に言うと上記のようなやりとりがあり、4者間で協議が難航したために、F1メディア関係者やF1ファンをヤキモキさせる展開になってしまったようです。
それぞれのメリットとデメリット
今回の騒動ではそれぞれの思惑が絡み合う協議となっている。大まかなメリットとデメリットは以下です。
マクラーレン
メリット:トラブル続きでパワーの無いホンダから、ルノーカスタマーになった事により、とりあえず妥協できるパワーと信頼性を手にできる。アロンソ残留の交渉もできる。
デメリット:ホンダからのスポンサーとしての1億ユーロもの財政支援を失う、PUの無償提供を失う(総額で約150億円にも及ぶ予算の低下)、早期契約解除に対する違約金の発生。
ルノー
メリット:結果に期待できるドライバーサインツ(レンタル移籍)を手に入れる。PU供給先がライバルとなるマクラーレンとなるため自チームの改善へ向けた指標となる。
デメリット:自チームのライバルが増える。パーマーとの契約解除によるスポンサーの減少($2000万との噂がある)
ホンダ
メリット:F1参戦が継続できる。中規模チームと組むことによる過度なプレッシャーからの解放。スポンサーとしての財政支援金の減少。
デメリット:車体側の速さの問題(リソース不足)、ネームバリューなどの宣伝力の低下。
トロロッソ
メリット:ワークスエンジン獲得によるPU無償使用、スポンサーホンダとしての財政支援の獲得。(トータルで約40億円程度の支出の低下を見込め車体開発に注力できる)
デメリット:パワー不足と信頼性への保証無しテールエンダーになる可能性も。サインツ放出による入賞率の低下。
レッドブル
メリット:トロロッソを使って今後のホンダを監視して、ルノーよりも速くなれば本家へ。2021年の新規定PUに向けてもルノーとホンダという二つの選択肢を持つ。
将来的にトロロッソをホンダに売却する事なども視野に入れている。
2018年ホンダは本当の正念場
ホンダ復帰3年目の今年、開発が停滞気味なルノー辺りにはパワーで追いつくか追い抜いているのを期待していたマクラーレンだったが、テストをまともに走る事も出来ずに堪忍袋の緒が切れた。半年待ったが一向に改善しないホンダPUに嫌気がさし、早期の契約解除を選択。
ホンダはマクラーレンからトロロッソへ変更する事でチーム規模としては格下げとなる。そんな中でもホンダに求められるのは現状と変わりなくメルセデスと戦えるPUを作る事だ。
契約にパフォーマンス条項があるのか?
2018年はホンダはトロロッソへ供給も、パフォーマンス条項などが契約に含まれている可能性は非常に高い。信用が無いのだから当然の契約だが、ここである程度のパワーと信頼性を示さなければ1年限りで見限られる事も十分考えられる。
コンセプト継続で信頼性は確保?
同じコンセプトだった2015年から2016年に向けては信頼性とパワー両面で大きく進歩している。2017年から2018年も同じコンセプトで開発継続していく事で信頼性を確保した上でパワーアップを図る機会となる。
これが出来なければホンダとしては、F1で本当に不名誉な終わり方をするかもしれない。そこだけはどうしても避けてもらいたいと願う。
2018年ホンダに期待する事
来年いきなりメルセデスと同等なパワーを出せとは言いません無理だから。まずはルノーと並ぶことそして追い抜く事が出来なければならない。
そしてトロロッソというチームは優勝争いはおろか表彰台すら難しい位置のチームである。中団グループでトップをとれる実力を示す事がひとまず求められる。
また2018年にホンダの改善が認められれば、今後レッドブルというトップチームと組める可能性もでてくる。レッドブルシャシーにホンダなんて夢みたいな組み合わせが実現するかもしれない。
厳しい現実が待っているホンダだけど追い詰められた時こそ真の力を発揮しなければならない。
もうこれ以上落ちる事はないのだから雑草のように踏みつけられても立ち上がるそんな力を見せてほしいと願う。ホンダには少なからずそれが実現できる力はあると信じています。
トロロッソは元ミナルディ、あのチームは良いチームですし、ポンっと順位が上がってくるチームですから楽しみですね!
ただクビアトと、サインツ離脱ならガスリーですか…ドライバーに少し不安が残りますが、クビアトも成長してくれたら…ガスリーもSFで良い調子ですし…
ルノーにはクビアトが行ってサインツは残るのは駄目ですか?
またも残れそうなクビアトに苦笑です。毎年私のクビになるドライバーにノミネートされ生き残る。
なんて強運の持ち主なんだろうか!!その運を走りで使ってくれ!
いずれにしてもHONDAに逃げ道は無く、むしろシャシーのポテンシャルはマクラーレンに劣るであろうトロロッソで上位に食い込む為には今まで以上の開発が至上命令と言えますが。
少なくともルノーを上回るPUを2018中に開発出来なければ2019以降のレッドブル・HONDAもあり得ないだろうし。
仮に2021からのPUにV6ツインターボが導入されるとすればまだそちらのほうがHONDAには可能性が有りそうに思います。
それでもHONDAにはインジェクションやバイブレーション、熱対策、オイルの片寄りなどの基礎的なトラブルが散見されるのでもはや開発体制を一新して外部の知見も積極的に取り込んで貪欲に学ぶ姿勢が必要なのではないでしょうか?
おっしゃられてる通りだと思います。
ただ現体制はやっと実を結び始めているのも事実で、今年の改善度はルノーを大幅に上回っています。
イルモアがどこまで関与しているのかわかりませんが少なからず外部の知識も注入されつつあります。
ホンダが本当に本気を出すつもりならF1エンジン部門を別会社で切り離してイギリスにファクトリーを作るなどの投資をしていく必要もあるでしょうね。
『(祝) (scuderia) Toro Rosso HONDA 誕生!』
日の丸HONDAの参戦継続で、再び一喜一憂出来る喜びに一安心しました。そして、いつかF1の高度なECO&SPORTS(+安全機能)技術などが、我々の国産量産車クラスにまで流用され体験出来る日を楽しみにしています。
ちなみに、Toro Rossoのレッドブルドリンク缶そのまま様なカラーリングは、本家“紅Bull”よ印象的で2017年では1番カッコイイと思っていました。
おそらく、この3組織間で近くある程度の結果向上が早く得られそうなのはMcLAREN ⁉︎。順位的に中断の上が上限という壁感があったが、もしかしてその壁が取り除かれる期待もあるToro Rosso⁉︎。メンタル&テクニカル的にもイイ状態でイイコラボでReスタート感あり、目先及びその先のあらゆる多くの点で“夢”と“期待”が大きく膨らむHONDA。しかし、同然、2015年と2017年の様な結果は必ず避けないといけない!!。また、「チーム全体の利益のために一丸となって戦い抜いていく」という点。ハーモニー感が欠けていた印象もあり⁉︎、契約面でも相手側から解消提起された事はHONDAにとってベターな印象です。
第2期の栄光のみでなく、第3期(’08)撤退時、数百億円かけたファクトリーや風洞設備込みでチームをタダ同然の売却価格((1ポンド・+保証金約“100億円”支援)で、ロス・ブラウンGPへと継承したという清きすぎるともいえる(武)士道の様なヒストリーを残していますが。これらは、HONDAのイメージとしてはF1界に潜在的にあると思いたいです。が、「創業者の本田宗一郎氏世代のホンダらしい自由闊達な中小企業の風土を知る世代から、大企業しか知らない経営陣になり官僚化・保守化が進んでいる。」という記事もあり、過去の諸先輩の良き伝統は守りぬいてほしい。
2019年の話題もある様ですが、メルセデスのフルワークス成功に刺激受け、ルノーも同様な成功が主目標であり、例えばチャンピオンを紅Bullとという成功には興味が低い様な印象です⁉︎。これら2社の目先す目標と取組みは、現時点ではホンダを先行しています。しかし、現実問題としてホンダはPUのパワー以前に信頼性がとても不安視されている現状を今年度中に打破し(おそらく本場ではメルセ&跳馬のPU信頼性がスタンダード認識なのでは…)、2018年は当然モアパワー化も全レース完走を必須化してほしい思いがあります。
その後(水面下では開発開始)、他2社と同自動車企業として同様の目標ステージに立っていてほしい。
(以上、現場の本当の苦労全然知らない素人者の思いですm(_ _)m )
上記記載させていただいたホンダ技研企業の記事は、
リーマンショック影響後⁉︎と思われる 八郷社長さん体制 “前”の記事(’14)の一部を抜粋させていただきました。
古かったですね…失礼しました。
「HONDA F1 PU部門ファクトリー、イギリス」社内にも意見としてあるかも知れないですね⁉︎
いつもポジティブ意見ありがとうございます。
マクラーレンとホンダは常にネガですからね。会社的に言えばいい仕事ができる環境ではない。
今後も会社的運営をするホンダは大丈夫なのか?心配てす。
ダニールクビアト、いらなくないですか?
何故、残れるんですか?
まだ決定ではないですが、多分残留だと思われます。
ガスリーがルーキーとして乗る。もう一人は経験者が絶対ほしいのがチームとしての考え。
そうなるとクビアトを残さざるを得ない。それとロシアマネーの問題も絡んでくる。
わざわざプーチンがグランプリに顔を出すロシアグランプリ、開催権料指定45億ユーロを政府が負担。
ロシア人ドライバーが必要となるなどなど政治絡み枠なんでしょうね。
データに基づいた考察、いつも楽しく見させていただいています。
ホンダがイギリスにF1部門を持つことを押しているようですが、何故でしょうか?
フェラーリはイタリア、ルノーはフランス、メルセデスはイギリスにエンジン部門を持っています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BCF1
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%87%E3%82%B9AMG_F1
メルセデスはイルモア(イギリスの会社)F1部門を買収した経緯があるだけなので、F1エンジンやるならイギリスじゃないとダメという理由は無いように思えます。
メルセデス関連会社がホンダにパーツ提供してくれるわけもなく、一からサプライチェーンを作り出すのは非常に大変ではないでしょうか?
ホンダはHRC、スーパーフォーミュラ等で関連会社がある日本でやるのが合理的に思えます。
時差でコミュニケーションの問題は多少ありますが、朝起きたら問題が解決しているというメリットもあるので、時差はあまり問題ではないと思っています。
コメントありがとうございます。
ホンダはこのままSAKURAで開発を続けるという点は今のところブレない計画です。
なぜかというとモータースポーツへの理解度が世界で一番の場所がイギリスだからです。
そしてそれに関わる学校や会社が山のようにありますので、もっとも重要な優秀な人材を集める事ができる場所だからです。
単なるチーム代表のホーナーですら王室から称号をもらえるような国ですから、日本には無い本当のモータースポーツ文化があるそれがイギリスですね。