2018年のモナコGPはガスリーの素晴らしいドライビングにより7位、ハートレーはレース終盤にルクレールに追突されて残念ながらリタイアとなった。

フリー走行の段階から好調なマシン状況、この超低速モナコ市街地サーキットでは何が光ったのか?そんな部分を紐解いていきたいと思います。

Sponsored link

予選タイム差+1.411秒

Q3でのトップと6位以下の比較です。

POS ドライバー SPD T S1 S2 S3 タイム Gap(GAS) Tyre
1 D.リカルド 281 18.638 33.393 18.779 1:10.810 1.411 3 HS
220 212 269
6 E.オコン 285 19.063 33.795 19.203 1:12.061 0.160 3 HS
220 204 273
7 F.アロンソ 279 18.858 34.054 19.198 1:12.110 0.111 3 HS
221 203 267
8 C.サインツ 286 18.967 33.828 19.335 1:12.130 0.091 3 HS
218 208 270
9 S.ペレス 285 18.988 33.940 19.226 1:12.154 0.067 3 HS
222 205 273
10 P.ガスリー 278 19.011 33.951 19.259 1:12.221 3 HS
223 202 264
https://www.formula1.com/

今回の予選においてトップ3チーム以外の、中団グループはフォースインディア、ルノー、マクラーレン、トロロッソはほぼ同等の性能を発揮しています。

このオコンまでのタイム差+0.16s、何度見ても本当かよ!って唸ってしまいます。

 

ガスリーはターン15でミスをしたと言ってますが、フェルスタッペンもクラッシュしたこのポイントは本当に難しい。手前のターン12は約180km/hでアプローチしてアペックスから全開で13,14を抜ける訳ですが、セクター2通過速度が遅いんですよね。

中速コーナーであるターン12で体勢が崩れてアクセルが踏むタイミングが遅く、それを引きずったままターン15へのアプローチとなる事で、ミスが出やすいコーナーであると言えるでしょう。

全体的に見て、低速コーナーが得意だと言ってきた事が、このモナコでしっかり証明されています。

決勝タイム差+24.331秒

https://scuderiatororosso.redbull.com/

ガスリーはスタート順位である10位をしっかり守っている。前を走っていたサインツ、アロンソ、ぺレス、オコンの順でピットインしていく。

ガスリーラッキーポイント

  1. ぺレスがピットミスで脱落
  2. サインツはピットアウト後USスタートのフェルスタッペンに抑えられる
  3. オコン、アロンソがピットアウト後USスタートのヒュルケンベルグに抑えられる
  4. ペースの遅いアロンソがトラブルリタイア

この時6位ガスリーは必死に守っていたHSで猛然とプッシュを開始、Lap22から18秒台にペースアップ、これをLap35まで維持する。この時7位ヒュルケンベルグ以下は19秒台での走行。

ラップタイム分析(対HUL)

Lap GAS(HS) HUL(US) Gap(-) Gap(+)
21 1:19.247 1:19.503 0.256
22 1:18.824 1:19.606 0.782
23 1:18.431 1:19.733 1.302
24 1:18.570 1:19.568 0.998
25 1:18.701 1:19.658 0.957
26 1:18.405 1:19.810 1.405
27 1:18.912 1:19.680 0.768
28 1:18.235 1:19.219 0.984
29 1:18.090 1:19.412 1.322
30 1:18.302 1:19.102 0.800
31 1:18.263 1:18.879 0.616
32 1:18.630 1:18.684 0.054
33 1:18.275 1:18.418 0.143
34 1:18.690 1:18.294 0.396
35 1:18.590 1:18.679 0.089
36 1:19.048 1:18.253 0.795
Total -10.476 +1.191

Lap36でHSが完全に終わる。予選も合わせトータル41周走破!タイヤに優しいマシンとガスリーのスムーズなドライビングの真骨頂でした。

Lap37でSSに交換し10位で復帰して、フェルスタッペンに迫り(Lap41~47)、その後アロンソに迫る(Lap50~52)がアロンソはトラブルリタイア、6位オコンを猛追する7位ガスリー。

ラップタイム分析(対OCO)

LAP GAS(SS) OCO(SS) Gap(-) Gap(+)
40 1:17.850 1:18.774 0.924
41 1:19.021 1:18.710 0.311
42 1:18.996 1:18.655 0.341
43 1:19.318 1:18.636 0.682
44 1:18.772 1:18.641 0.131
45 1:18.730 1:18.148 0.582
46 1:18.705 1:18.535 0.170
47 1:19.130 1:18.366 0.764
48 1:17.276 1:19.587 2.311
49 1:17.694 1:19.006 1.312
50 1:19.016 1:19.230 0.214
51 1:21.447 1:18.823 2.624
52 1:19.452 1:19.203 0.249
53 1:17.758 1:19.677 1.919
54 1:17.796 1:19.583 1.787
55 1:17.435 1:17.450 0.015
56 1:17.278 1:17.594 0.316
57 1:17.311 1:17.500 0.189
58 1:17.599 1:17.495 0.104
59 1:17.254 1:17.374 0.120
60 1:17.639 1:17.463 0.176
61 1:17.777 1:18.197 0.420
62 1:17.432 1:17.624 0.192
63 1:17.510 1:17.027 0.483
64 1:17.442 1:17.043 0.399
65 1:17.136 1:17.141 0.005
66 1:17.309 1:17.354 0.045
67 1:17.288 1:17.411 0.123
68 1:17.099 1:17.163 0.064
69 1:17.241 1:17.092 0.149
70 1:17.397 1:17.288 0.109
71 1:17.659 1:17.910 0.251
72 1:29.530 1:30.832 1.302
73 1:42.394 1:43.478 1.084
74 1:19.673 1:19.459 0.214
75 1:18.406 1:18.824 0.418
76 1:18.724 1:18.423 0.301
77 1:18.505 1:18.852 0.347
78 1:19.179 1:19.547 0.368
Total -13.726 +7.789

オコンはLap50までヒュルケンベルグに抑えられている。ガスリーはLap61からHSのヒュルケンベルグに背後に付かれている。

VSC中に2秒詰める謎なラップがあるが、オコンの背後に迫る。オコン以下ガスリー、ヒュルケンベルグ、フェルスタッペンはDRS圏内である1秒以内で連なってチェッカーを受ける。

ハートレーのレース

ハートレーは15位スタート、アンダーカット狙いで新品HSを13周で諦めてUSへ交換。ルクレールの前に出てサインツの後ろ12位を延々と走行する。しかしながらペースは18秒~20秒台と安定しない。

序盤の接触で右フロントウィングを壊している。

https://scuderiatororosso.redbull.com/

エンドプレートとカスケードがないねぇ。ピットインで交換しなかったのはロスタイムでレースを捨てたくなかったからでしょう。最後はルクレールに追突されてリタイア。

Lap71ハートレーとルクレールのクラッシュ動画リンク

追突なくあのまま走れていれば11位完走+5秒ペナルティは確実だった。

まとめ

ガスリーのハイパーソフトでの好走、対ヒュルケンベルグに9秒のマージンを作ったオーバーカット戦略がすべてを決めた!

上位陣の早めのタイヤ交換に惑わさず、タイヤを労わり前が開けたところでのペースアップ、ヒュルケンベルグのペースが悪い事を見極めたエンジニア。

全てが噛み合ったら結果は自ずと付いてくるってな感じですね。

 

ハートレーはこれが今のところ無い。ドライバーが自由にタイヤやピットインを決められない現代F1では、エンジニアの力量でほとんど決まってしまう。

予選のクリアラップなどもしかり、ドライバーが出来る事は極わずかです。そのわずかな事を体現出来るか否か、ハートレーに足りないのはそんなところかな。

 

ホンダのトラブルは?最近全く聞かないなぁ。予定外の交換が多いからなんとも言えないけど、良くやってます。

カナダでのアップデートに期待?パワー上げてトラブルでない事を祈っておきます。