トロロッソとホンダのパートナーシップ初年度はあっという間に最終戦となってしまいました。ホンダは大型アップデートを2回行い、最後にはそれなりのパワーを見せくれたと思う。

しかしアブダビGPでははっきりと苦戦している。マシンアップデートが1年通してほとんどなかった事からもトロロッソの戦闘力は低下、そこにパワーアップしたホンダPUが投入されても路面にパワーを伝える事が出来ずにいる。

Sponsored link

予選タイム+3.200秒差

HSタイヤにてアタックしたQ1において、後半のトラックエボリューション(ラバーグリップの上昇)は凄まじいものがあった。Q3のトップタイムとの差は3.2秒にもなっている。

今回はQ1のみで比較してみようと思います。

POS ドライバー Fline S1 SPD T S2 S3 タイム Gap(HAR) Tyre
1 ベッテル 229 17.096 324 41.113 38.556 1:36.775 +1.219 1 HS
288 316 228
4 オコン 226 17.213 329 41.043 38.680 1:36.936 +1.058 1 HS
290 314 218
10 ヒュルケンベルグ 227 17.365 324 41.449 38.775 1:37.569 +0.425 1 HS
284 314 224
15 マグヌッセン 226 17.144 326 41.532 39.258 1:37.934 +0.060 1 HS
287 313 224
16 ハートレー 222 17.450 328 41.589 38.955 1:37.994 1 HS
286 317 217
17 GAS最終アタック 218 17.459 327 41.419 40.071 1:38.949 1 HS
286 315 117
https://www.formula1.com/

ガスリーは最終アタックの最終コーナー立ち上がりでパワーダウンしてタイムアップできずにQ1落ち。ラップタイムは0.6秒ほど速かった、クリアできていれば12番手ぐらいのタイムは記録できていたはずである。

ガスリーの最終アタックのセクター2までのタイムが良い、Q2に進んでもっとアタックラップを見たかったと心の底から思いましたよ。

スタート&フィニッシュライン通過速度以外は、ルノーのヒュルケンベルグに勝っている点がルノーがホンダを上回るパワーを発揮している事を裏付けるかもしれない。

予選後ガスリーのコメント

「Toro Rossoでの最後の予選でしたが、僕が臨んでいたような結果にはなりませんでした。最終コーナーでスロットルを戻したところ、コーナー出口でパワーを失ってしまいました。その周はそれまでうまくいっていたので、最後までまとめきれずとても残念です。

マシンの感触はよく、タイムも前の周と比べると0.6秒速かったのですが、最後の200~300mのところでパワーがなくなってしまいました。ペースとしては12番手辺りを狙える速さで、Q3までとはいかなかったかもしれませんが、10番以内を狙う戦いはできていたはずでした。僕はこのチームに来てから本当にたくさんのことをしてもらったので、明日のレースは僕にとって特に重要な一戦となります。

F1で走る最初の機会を与えてくれたチームのために、最高のかたちでシーズンの締めくくりをしたいと思っています。感謝の気持ちを伝える一番の方法だと思うので、スタートポジションは期待していた位置からではありませんが、全力で戦っていきます。」

予選後ハートレーのコメント

今日は簡単にはいかない日だと覚悟はしていましたが、今朝の走行では12番手だったので、Q2までは進めるのではと思っていました。ブラジルGPに続きQ2に進出できなかったのは、非常に悔しいです。コースのコンディションは数時間前のプラクティスから劇的に変わってしまっていて、予選時にマシンのパフォーマンスを引き出すことができませんでした。

このレースウイークは決勝でのペースを特に重視して進め、ピエールと僕との差もほとんどありませんでした。しかし、マシンに速さが足りず、バランスにもあまり満足できませんでした。午前のFP3でなにか有益なことをつかめていることを願って、明日はより最適なマシンで決勝レースに挑みたいです。」

https://scuderiatororosso.redbull.com/

決勝タイム差+1laps

USスタートのハートレーは、グロージャンとヒュルケンベルグの接触によるデブリでフロントウィングにダメージがあり、1周終了時点でピットインして交換、ついでにタイヤもSSへ交換して超ロングラン作戦に移行した。

ガスリーはSSスタートでSC、VSCが絡む中で9番手までポジションアップしている。27周終了時点でピットインしてUSへ交換。

16番手までポジションを落とすが、すぐに追い上げ後半には11番手を走行する。ここでオコンがリタイアして10番手となったが、オイル漏れによるトラブルが発生してリタイア。

2台共に最終戦に入賞を逃す結果となった。

https://scuderiatororosso.redbull.com/

決勝後ガスリーのコメント

「予選、決勝ともに苦戦を強いられ、僕らにとっては厳しいレースウイークとなりました。残り数周のところで後方から煙が出始めました。何が起きたのかはっきり分かってはいませんが、それまではとても楽しいレースを満喫できていました。17番手から10番手までポジションを上げて、9位フィニッシュしたロマン(グロージャン選手、ハース)とバトルができていたのですが、リタイアという結果に終わってしまいました。

今日はToro Rossoでの最後のレースだったので、少し感傷的になっていました。チーム、そしてHondaのみんなと、素晴らしいシーズンを過ごすことができたので、それに報いるためにも、今日は完走を果たしたかったです。ただ、全体的には僕にとっていいシーズンとなりました。Toro Rossoと働けて、本当に楽しかったですし、ともに過ごしたレースウイークを忘れません。来年、Red Bull Racingで始まるキャリアの新章も楽しみですが、僕に多くを与えてくれて、情熱あふれる最高のメンバーがそろったこのチームを去るのはさみしいです。みんなと働けて、本当によかったです!」

決勝後ハートレーのコメント

「残念ながら、僕のレースは1周目で終わってしまったようなものです。ターン8進入時のクラッシュで行き場をなくしてしまい、前のマシンを避けるためにはコースアウトせざるを得ませんでした。そこでデブリを踏んでしまい、フロントウイングにもダメージを受けたので、ピットインしました。

旧スペックのフロントウイングを装着し、交換したスーパーソフトタイヤで最後まで走りきらねばならず、レース中はずっと苦しい戦いになりました。タイヤをしっかりと持たせることはできたと思いますが、1周目でこうした問題を抱えてしまったので、今日の12位は最大限の結果だと思います。シーズン当初よりもかなり成長して一年を終えられますし、ここ数戦はかなりよかったものの、今日はプラン通りにいきませんでした。シーズンを通じての成長に満足しており、今年はドライバーとして強くなれた一年だったと思います。」

https://scuderiatororosso.redbull.com/

まとめ

ホンダの新スペックは速くて結果を出せるガスリーにトラブルが集中してしまい、本当のところの速さがわからなくなってしまっている。マシンが進歩しない事が後退となるF1においてはトロロッソが毎年直面してきた状況に変化はなかった。

ただ、ホンダにとってやりたい事をやらせてくれたトロロッソとのパートナーシップは大きな前進だった。排気の取り回し、追加冷却パーツの設置場所などスペースを確保してくれた事は非常に心強い事だったと思う。

実質ルノーPU用シャシーをホンダPU用に改造しただけの模造品である今年のマシンで、ここまで頑張ってきた事が称賛に値する。

 

ブレンドン・ハートレーが今季限りで離脱する事になったのは非常に残念だが、ドライビングミスが多すぎたのも事実ある。彼のポルシェLMP1でのパワーマネージメント経験などホンダは多大なヒントを得ていたようだ。

ホンダが異例とも言えるブレンドンを称えるツイートを公開している。

ありがとう!ブレンドン!来年は何処で走るのかな?WECに戻る可能性もあるよね。日本に来たら人気者だよ。