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2019年R12ハンガリーGPは、フェルスタッペンが念願の初ポールポジション獲得、ホンダは復帰後初となり予選で大いに盛り上げてくれた。そして決勝はラスト4周となった67周目のターン1まではトップを守り続けたが、メルセデスのハミルトンにオーバーテイクされて惜しくも2位となっている。

ポールスタートから最後の最後まで守った1位だったが、本当の強さの前に陥落したと言えばいいのかな。低速サーキットであるハンガロリンクで王者に対して一歩も引かぬ走りでファンを魅了した、レッドブル+ホンダ+フェルスタッペンは本当に頼もしい存在だと言える。

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予選タイム差±0.000秒差

https://www.formula1.com/
POS ドライバー F SPD-F S1 S2 S3 タイム Gap Tyre
1 VER 264 312 27.095 26.456 21.021 1:14.572 3 C4
279 256 259
2 BOT 265 317 27.079 26.411 21.100 1:14.580 0.018 3 C4
287 259 263
3 HAM 256 317 27.228 26.488 21.053 1:14.769 0.197 3 C4
287 260 256
4 LEC 265 322 27.036 26.553 21.454 1:15.043 0.471 3 C4
289 260 265
6 GAS 262 309 27.472 26.809 21.169 1:15.450 0.878 3 C4
277 251 259
12 ALB 261 318 27.675 27.191 21.821 1:16.687 0.878 2 C4
278 255 261
13 KVY 259 317 27.626 27.223 21.843 1:16.692 0.878 2 C4
282 254 259

 

このポールポジションはなぜ獲れたのか?各ストレートエンドスピードはレッドブルが軒並遅いんですよね、リアウィングはかなり大きいのでドラッグが多かった。ストレートスピードを捨てて完全にコーナーに振ったダウンフォースセッティングだった事がわかります。

リアウィングの大きさと高レーキ角で、メルセデスよりドラッグが多かったと私は思っています。

これだけではわからないので各ターン手前速度とボトムスピードを確認してみましょう。

SPD F T1 T1B T2 T2B S1 T4 T4B T5B T6 T6B T8 T8B
VER 264 312 97 288 126 279 285 249 152 253 113 221 187
BOT 265 317 103 288 130 287 291 238 154 253 117 222 183
HAM 256 317 100 288 125 287 292 243 157 252 111 222 183
LEC 265 322 97 292 127 289 294 250 157 254 108 224 174
GAS 262 309 102 286 123 277 282 238 159 251 112 219 185
SPD T9 T9B T11 T11B S2 T12 T12B T13 T13B T14 T14B F
VER 205 161 264 240 256 281 122 229 106 222 144 259
BOT 195 161 266 242 259 286 123 228 108 220 146 263
HAM 201 162 266 241 260 287 119 228 106 220 151 256
LEC 198 162 268 243 260 287 118 229 104 220 138 265
GAS 197 161 262 230 251 277 119 228 104 221 142 259

 

うわ~!!逆に解りにくくなったよ(笑)

突出した部分がターン4、ターン8,9ぐらいしか見えない。後はターン1,2やターン5,6やターン12,13,14に見える、ボトムは遅いけどターン手前速度はメルセデスと同等かそれ以上になるところ。

これはターンイン後のアクセルオンが早く、加速に移る動作が早かった事がわかる。これはなぜと聞かれればリアダウンフォースをいっぱいつけていたからと答えれる訳で、ストレートの遅さの訳が説明できると思います。

そして180°方向転換するような周り込むコーナーはメルセデスがやはり速い、なんとか勝てた理由は早くアクセルオンできるセッティングとそれを最大限に生かせるフェルスタッペンのセンスによるものでしょう。

決勝タイム差+17.796秒

ホンダ勢のグリッドは1VER,6GAS,12ALB,13KVYです。

https://twitter.com/F1

フェルスタッペンはまずまずのスタートで思いっ切りインを抑える。並びかけたボッタスはラインを乱してハミルトンに先行され、意地でフロントだけ並んだ全開のターン3で接触、ルクレールにも接触され、脱落した。

先ずはスタートを無難に決めたマックスに胸をなでおろしたのだった。あーガスリーが9位だと・・・。

Lap2:終了時点では1VER,9GAS,13ALB,15KVY

Lap6:ボッタスがピットイン、8GAS,12ALB,14KVY

Lap8:やっとラッセルをパスするクビアト、13KVY

Lap19に勃発したトロロッソの仁義なき戦い!

あぶねぇ、あぶねぇw

トップのフェルスタッペンはハミルトンに一度2秒弱の差をつけたが、バックマーカーが現れだしてから常に1.5秒以内に迫られる状況が続いている。

Lap25終了時点でHへ、そしてLap27ではラップタイム差で約0.9秒差、その後も順調にギャップは広がりハミルトンがピットアウトしたLap32時点では6秒差ついていた。

 

よしよし、タイヤ交換を先にする作戦は成功だ!

しかしハミルトンのLap34,35のタイムはフェルスタッペンより2秒も速かった、一気にDRS圏内に詰め寄られる。

このラップタイム差はフェルスタッペンの前にバックマーカー集団が居た事と、ハミルトンがアタックモードで迫ったためと思われる。タイヤが新しくおいしいうちにハミルトンは勝負をかけてきたのだった。

フェルスタッペンのやれることはターン1で並ばれない事、アウトでもインでも並ばれたらターン2でラインクロスされ、立ち上がりやターン4までの加速区間でやられてしまう。

バックマーカーを上手く使いDSRとトウでハミルトンの攻撃を何とか防いでいるフェルスタッペン。

 

こやつなんて冷静なんだ!

憎たらしいほどに状況判断が的確で、トップスピードを稼ぐマックスに感服でしたわ。

Lap39ではサイドバイサイドに持ち込まれ、ハミルトンがターン4手前で先行するがラインがタイトすぎたハミルトンはコースアウトしてフェルスタッペンの後ろへ戻る。

あっぶねぇーーーー!完全に策にはまったと思ったけど、マックスのラインどりもいやらしかったなw

 

ハミルトンはこれをきっかけに一旦引く、2秒ほどの間隔を空けて各部の冷却を行う。

Lap45から1秒ぐらいの差に迫ってきたが、今度はマックスがDRSを使わせないように検知ポイントで1秒以上の差がつくように踏ん張っている。ハードタイヤのおいしい部分はもう無くなった。

いつもならワンストップ大好きなメルセデス陣営は、抜くための要素が無くなってしまった事と失うポジションが無い事からハミルトンにピットインさせMへ

F1が作ったこの動画ですべてが語られてしまう。

ハミルトン怒涛の追い上げ!

タイヤの差による最終コーナーとターン1のトラクション差で簡単に抜かれてしまうのだった。

 

ホンダ勢残り3名をすっかり忘れていたw

ガスリーは5位サインツの後ろを延々走り6位、アルボンは終盤クビアトとぺレスをパスして10位になっている。アルボンはマシンを大破させる失敗をポイントで返す、見事な取引を完遂させたのだった。

マックス以外語れない程にトップ争いが緊迫しすぎて・・・ほんとすんません( ノД`)

まとめ

フェルスタッペンとハミルトンのマッチレース、お互い全力を出し切っての勝負で負けたレッドブルホンダ。レース中のミディアムとハードのペース差を考えたら、やられるのは何となくわかっていた。

たとえフェルスタッペンが2ストップに変更したとしても、ストレートスピードの遅さから同じタイヤなら抜けないし、ハミルトンがハードで走り続けたら、追いつくのがやっとだったと思う。あのまま留まる事が唯一の手段だったのです。

今回のレッドブルホンダは予選のデータからも明らかなように、ストレートでもボトムスピードでも無い部分ブレーキングとトラクションでタイムを稼いでいたから決勝ではタイヤ摩耗が促進されてしまった。

 

メルセデスよりもコーナーを速くしたセッティング=ドラッグが多いとなる。わずかなドラッグ差なのですがそれを打ち消すエネルギーがレースでは足りなかった、1周で得られるエネルギー量がわずかに足りない事で、引き離す事が出来ずに負けたのです。

予選ではバッテリーをフルチャージする事でその差は無くなったが、レースではその差が顕著に現れたと言うところ。これの解決はホンダの使命であるが、それを解決するために車体への影響が大きいのなら、レッドブルとのマシン作りは見直す必要が出てくる。

噂されるスペック4が今のサイズでパワーや総エネルギー量を増加出来るのであれば最高だろう。

 

また、良い面はレッドブルのダウンフォース最大値が多分一番だと言うところ。シンガポール、メキシコ、ブラジルあたりでは今のままでもトップ争いできる実力はあると思う。

 

ガスリーについては、まず突っ込み速度が遅いというか、各ストレートエンドでアクセルを踏み切れていません。

ビビってますねこれ、心の問題の部分が大きいと思う。またQ3だけでも0.4秒近くの大きいトラックエボリューションがあった訳ですけど、こういう時の彼はそのインプルーブを生かせない事が多い。

大きな要因はリアの動きを体で理解出来ていないからだと思う、突っ込んでアクセルオンしながらマシンの体勢を整える動作の限界ポイントでアクセルを踏んでいけない怖さがあるのだろうね。

彼は決して遅いドライバーでは無いと思う。ドライビングがおとなしく見える事が多く、今年のタイヤを適正温度に保てない事も関係していると思う。丁寧で型にはまったスムーズなドライビングは今のタイヤに合っていないのではないかな?今の状況ではこんな事しか言えないです。