今年からホンダエンジンはやっとジェットインジェクターを使用したエンジンを投入している(はず?)ですが、テストから開幕戦にかけて散々たる結果となってしまいました。

燃焼効率を上げるという課題ですが、開幕した現在でもまだ模索段階なのが今のホンダです。

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ホンダF1責任者の長谷川さんの発言

http://ja.hondaracingf1.com/

引用元はモータースポーツ.com日本版の2017-03-25記事になります。

【F1】ホンダ長谷川氏「燃焼効率を上げた改良型PUの完成は2カ月後」

「オーストラリア初日を終えた感想としては、結構厳しいというのが実感です。ストレートのスピードがトップグループに8〜9km/hほど負けていましたから。このサーキットでそれだけ負けているというのは、他のコースへ行くとさらに厳しいでしょうね。パワー差が大きいですね」

「一番の問題は、絶対的なパワー不足です。パワーを上げるには燃焼効率を上げることが必要ですが、それには現在のPUのハードウエアを換えなければなりません。改良型のPUを開発していますが、完成にはまだ時間がかかります。2カ月以内には完成させて投入したいと思っています」

このインタビューはオーストラリアGP初日に行われています。燃焼効率がとにかく悪いとの事で、今期から導入したジェットインジャクターの使い方がまだまだ研究段階だという事になります。ハードの変更が必要と現時点でわかっているだけでも開発進歩はあると判断できます。

新スペック投入は2ヵ月以内には

「2ヵ月以内には・・投入したいと思っています。」と言う事ですが問題解決しないならばそれ以上かかるともとれます。この発言から2ヵ月後は6月中となりますが、第8戦アゼルバイジャンGPが6月23日に始まります。あと7戦は今の状態が続くという事ですか・・。

今年期待していたホンダ関係者並びにホンダファンは気長に待つ必要があります。しんどいなぁ・・。

エンジンの振動について

「振動(オシレーション=oscillation)は今日はそれほど問題ではありませんでした。ただ、シフトアップ時に少し出ていましたから、それを解決すればタイムは少しは稼げるかもしれません。ドライバーのコメントとしては、オシレーションは相変わらずだなあとのことでした。シフトアップの時にそれは必ず出るんですが、なかなか収まらないんです。問題はそこですね」

振動問題は未だに解決していないようです、シフトアップ時に必ず起こるとありますが、現代F1のシームレスシフトではトルクは変化しないはずです。ギヤアップ時の回転数の差によって引き起こされると考えていいのかな?

マクラーレン製ギアボックスとの共振の疑いがあるようです。エンジン単体では起こりえないと長谷川さんがきっぱり発言しています。この辺の情報開示の温度差がホンダとマクラーレンの今の関係ですねぇ・・。

レイアウト変更による重心の低下

「今年からMGU-Hの配置を換えています。パッケージを変えたということです。でも、それでパワーが上がったということではありません。重心が下がったということですね。重心を下げることによってクルマ全体の運動性能向上への貢献は大きいと思います」

「昨年はコーナリング性能が低かったといわれていますが、MGU-Hの配置転換はその改良には大きく貢献していると思います。また、エンジンの重量も軽くなったので、バラストを効率良く積めるようになりました。でも、そのことは余りメディアが採り上げてくれないんですよ……」

このMGU-Hの配置を換えてるという発言がかなり気になるところです。メルセデス型はVバンク内にMGU-Hを置くスタイルのはずですが、もしかしたらVバンク内はシャフトだけの可能性がでてきました。もしそうならメルセデス型よりも重心を下げる事は容易です。

レイアウトに関する過去記事はこちらになります⇒F1ホンダのターボエンジンの改良ポイントはレイアウトにあり

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まとめ

サイズゼロコンセプトを捨ててもその他の部分で取り返そうと努力はしていますね。しかしそれを形にできていないのが今のホンダだという事です。

ハード面は簡単には変更できませんので、まずはソフトウェアでどこまで改善できるのか。現場が今やるべきことはまずはそこです。あと7戦も最下位で死ぬ訳にはいかないでしょう。

その間に新スペックの開発もするという事になります。

この序盤戦はほんとに勝負どころです。ここで一気に詰めないと今年は中団チームから抜け出せなくなります。ホンダSAKURAのスタッフさん達頑張ってください。