https://www.auto-motor-und-sport.de/

2018年に入りF1パワーユニット(エンジン)の馬力(PS)の数値がやっと解析されたようです。そしてタービンによる排気抵抗による損失馬力も明らかになった。

各チームはGPSデータによる最高速度までの加速度、前面のマシン画像による前面投影面積によるドラッグを予測してパワーを解析している。

2017年末にもGPSデータによる解析が行われていましたので、そのデータと共に比較表を作りました。

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パワーユニットの馬力(推測値)

参考元:https://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/f1-motoren-leistung-ferrari-10-ps-vor-mercedes/

MGU-Kの163psをプラスした予選におけるピークパワーの推測数値です。

メーカー 2017年末 2018年9月 (ICEのみ)
フェラーリ 934 953 790
メルセデス 949 943 780
ルノー 907 893 730
ホンダ 881 878 715

解析精度が上がったのか?2017年末の推測数値より全体的に下がっている。

MGU-Hが発電状態である場合タービンの排気背圧により約40psを損失する可能性がある。予選においてはESの4MJをフル充電状態でアタックラップに入るため、ウェイストゲートの解放とMGU-HによるEブースト(電動タービン化)はラップ全体をブーストするのに十分だという事です。

ホンダはアメリカGPで913ps?

https://www.auto-motor-und-sport.de/

ホンダはアメリカGPでスペック3を導入するという情報がF1パドック内で囁かれているようですが、ある情報源によるとICE単体で限界値750psを発生するらしい。

7月ルノーのアビテブールによるインタビューにおいて、決勝レースにおける差はメルセデスとフェラーリからは15ps離されていて、ホンダには25ps先行している語っていた。スペックBは710psだったようだからピークパワーにおいてはルノーとホンダはほぼ同等だったと言える。

  • メルセデス・フェラーリ>15ps>ルノー>25ps>ホンダ

ホンダの遅れている部分は、燃費やERSによるエネルギーデプロイメント差が大きいという事になる。

燃料と発電エネルギーによる差が複雑

このピークパワーは予選において一部のアクセル全開区間で発生するパワーである。常にこのパワーを発生させることはできない。ルノーによる決勝レースでのパワー差推測がそれほどでもない事からもわかる通り、1周におけるES容量の差である4MJの使い方と充填の仕方を緻密なシミュレーションにより導き出す必要がある。

メルセデスも困惑しているフェラーリの瞬間的なパワーアップの謎が未だにわからない。ICEの差がほぼないとの事から推測できることは、Eブーストの持続時間とMGU-Kの163psの出力配分の違いしかない。どちらもデプロイの消費によるパワーアップのため、いかにデプロイが重要かがわかる。

ホンダはこれを解決する事ができるだろうか?レース用ハイブリットエンジンの研究は独自開発するしか道はない。排気タービンをも利用するF1に関しては複雑困難を極める。

是が非でも日本企業の底力を見せつけてほしいと節に願う。

※追記:前回のAMuSの解析記事

2017年12月30日に公開された記事リンク⇩

https://www.auto-motor-und-sport.de/formel-1/die-staerksten-motoren-der-formel1-geschichte/

これによるとアブダビGPにおいて、とあるメーカーより教えてもらったとなっているので、今回の情報提供元とは違うのでしょう。依然として空気抵抗数値は完璧には計算できない(内部抵抗やフロア部分など)ようですので参考程度と考えるべき、単純にパワー&前面投影面積ドラッグによる差を表した数値であるという事です。

ホンダに関してはトロロッソがいつもダウンフォース付け気味なので、ドラッグにより消されるパワー損失が大きいのかなと思います。