元F1ドライバーで1997年度チャンピオンのジャック・ビルヌーブはマクラーレン・ホンダがアロンソのキャリアを潰すと言う発言をした。ビルヌーブはホンダと4年過ごしたが彼らの成長は遅かったと言っている。

 

アロンソはフェラーリにあと2、3年はとどまるべきだったと言うビルヌーブだが果してそうだろうか?私はどちらとも言えないがアロンソの決断を尊重すべきだと思う。

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F・アロンソ
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フェラーリの今年の躍進が色々な憶測を呼ぶ

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マレーシアGPでガッツポーズのベッテル

アロンソのかわりにフェラーリに加入したベッテルが優勝を成し遂げた事で、アロンソはフェラーリにとっていいドライバーではなかった、アロンソはマシン開発能力が無いなどひどい内容のメディア合戦があった。

 

はっきり言って言いたい放題なメディアや関係者の発言は目に余るものがある。アロンソが過ごしたフェラーリの状況がひとつもクローズアップされていないのが気にかかります。

 

私はアロンソとフェラーリのもつれは移籍初年度の2010年最終戦から始まったと思っている。チームのピット戦略ミスでチャンピオンを失ったあの最終戦アロンソはかなり失望しただろう。フェラーリともあろうものがあんなミスをするなんて最悪の結末だった。

 

そして翌年の2011年からはマシンが迷走を初めてしまい。トップチームらしからぬ継続性の無さでマシンは競争力を失っていった。そんなマシンを最大限プッシュし優勝を成し遂げドライバーズランキング2位をこの5年間で3回も成し遂げているアロンソは最高のドライバーであり開発能力も群を抜いている存在だと私は思います。

 

アロンソが加入したフェラーリは黄金期の主要メンバーがいなかった

フェラーリの黄金期ミハエル・シューマッハが2000年から2004年までの5年連続チャンピオンを獲得していたころの主要メンバーは現FIA会長のジャン・トッドが監督を努め、1994、1995年のベネトンでシューマッハをチャンピオンに導いたデザイナーロリーバーンがいた。

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2014年フェラーリF14T

その後デザイナーはバーンの弟子アルド・コスタになり2005年から2010年マシンに関わった。この2010年のマシンは最終戦までチャンピオン争いをした優秀なマシンだった。このあとチーフデザイナーがニコラス・トンバジスになった途端にフェラーリはそこそこのコンサバマシンとなってしまい常にトップ争いに加われなかった。

 

そして今年のマシンは昨年からチームに加わったジェームス・アリソンがロータス時代同様にタイヤに優しいマシンに仕上げてきた事で状況は一変している。フェラーリの躍進はフェラーリ自身で作り出した改革が成功したからでありアロンソが去ったからでは無い。

 

アロンソのマクラーレン・ホンダ移籍は壮大な夢の実現へ

アロンソはいきなり優勝争いができると思ってマクラーレン・ホンダに移籍したのでは無い事は彼の発言などからわかる事であり。フェラーリとはただ単にタイミングが悪かったに過ぎないでしょう。

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自分のキャリアをかけてマクラーレン・ホンダを育てたいと強い思いでアロンソは今戦っているんです。フェラーリに乗っていれば自分も優勝争いができていたことは百も承知です。

 

アロンソのマシン開発能力はルノー時代に2年連続チャンピオンをとった時、監督だったブリアトーレがアロンソのセンサー能力はずば抜けていると語っていることからも間違いないし、そもそもフェラーリのシューマッハを破ってのチャンピオンになれる男がマシン開発能力が無いなんて事はないんです。

 

マクラーレンとホンダがアロンソにかける思いとアロンソがマクラーレンとホンダにかける思いが交錯しより高い成果を生み出していくことを切に願います。

 

ビルヌーブの批判発言にはほんとにうんざりしますが、F1を盛り上げてくれている事もあり。なかなか解せない男ですね。