2019年スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿は波乱のレースをニック・キャシディが制した。

新シャシーSF19が導入、FIA-F2からの移籍組である牧野、福住、マルケロフ、そしてレッドブルジュニアの新規参戦海外勢ティクタム、アウアー、ニューウェイなど注目ドライバーが目白押しとなっている。

予選では牧野がポールポジションで嬉しい結果だった。

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2019スーパーフォーミュラR1鈴鹿決勝結果

No. ドライバー Laps Gap BestTime (L) PIT
1 37 ニック・キャシディ 43 1:28:21.635 1:42.418 33 1
2 1 山本 尚貴 43 1.749 1:42.198 22 1
3 3 山下 健太 43 2.399 1:42.709 33 1
4 16 野尻 智紀 43 8.265 1:43.407 37 1
5 8 大嶋 和也 43 9.057 1:43.445 39 1
6 39 坪井 翔 43 10.522 1:43.364 39 1
7 4 国本 雄資 43 10.825 1:42.196 39 1
8 50 ルーカス・アウアー 43 13.989 1:43.348 24 1
9 15 ダニエル・ティクトゥム 43 15.097 1:43.520 40 2
10 18 小林 可夢偉 43 30.912 1:41.867 24 1
11 7 アーテム・マルケロフ 43 37.082 1:43.756 34 2
12 5 福住 仁嶺 43 37.977 1:43.608 2 2
13 65 牧野 任祐 26 17 LAP 1:41.757 3 1
14 64 アレックス・パロウ 17 26 LAP 1:41.057 3 1
15 38 石浦 宏明 15 28 LAP 1:42.885 3 2
16 36 中嶋 一貴 14 29 LAP 1:44.021 13 1
17 51 ハリソン・ニューウェイ 14 29 LAP 1:43.681 14 1
18 19 関口 雄飛 10 33 LAP 1:42.242 6 2
19 20 平川 亮 7 36 LAP 1:43.147 4 0
20 17 トリスタン・シャルパンティエ 7 36 LAP 1:44.848 5 0

タイヤと燃料量の駆け引きはどこへ?

この開幕戦はコースアウト多発でセーフティーカー4回出動する波乱となった。マシントラブル多発は新シャシーであるので仕方ないかもしれない。

今年は絶対面白いはずと期待していた、そういう面白さを求めていたのではない。

レースにおける駆け引きの方を期待していたのだ、ところがどっこい蓋を開けてみればスタートからソフトタイヤの小林可夢偉は一度目のSCでトップに立つと、交換する必要のないペースを維持して延々とトップを快走してしまう。

SC4回でタイヤが冷えるから温まりの速いソフト有利、周回遅れも出現しないトップ走行のフレッシュエアーなど可夢偉が延々とトップでギャップを作れる要因はあった、そして1回のピットイン規定さえなければそのまま逃げ切り優勝出来てしまう事態となっている。

 

どこがソフトタイヤなのか?どこに燃料量による戦略の駆け引きがあるのか?

可夢偉のラップタイム

Laps LapTime Tire
1 1:49.011 S
2 1:44.587 S
3 1:43.376 S
4 1:44.356 S
5 1:43.651 S
6 1:44.328 S
7 1:43.844 S
8 1:44.073 S
9 1:48.693 S
10 3:20.600 S
11 3:25.123 S
12 1:42.619 S
13 1:42.180 S
14 1:42.516 S
15 1:42.826 S
16 1:58.538 S
17 2:36.260 S
18 1:43.166 S
19 1:43.328 S
20 3:39.301 S
21 3:29.224 S
22 1:42.439 S
23 1:41.983 S
24 1:41.867 S
25 1:42.090 S
26 1:42.119 S
27 1:42.275 S
28 1:43.088 S
29 3:44.001 S
30 4:12.184 S
31 3:15.589 S
32 1:42.777 S
33 1:42.123 S
34 1:42.123 S
35 1:42.338 S
36 1:42.158 S
37 1:42.273 S
38 1:42.325 S
39 1:42.075 S
40 1:42.325 S
41 1:42.157 S
42 1:45.646 S
43 2:24.992 M

42周はソフトタイヤでの走行、その内10周はSCラップのため32周は一応攻めた事になるが 、デグラデーションは無いと判断できる後半の42秒台前半のタイム連発、ミディアムタイヤの野尻は37周目にベストタイム43.4秒台だからその差は歴然。

燃料タンクは満タンで95ℓ(約70kg)である、仮にF1で良く言われる0.3/10kgを適用するとスタート時点と後半ラップタイムは2.1秒速くなるのだが、ちょうどピッタリですね。

2019スーパーフォーミュラのタイヤレギュレーション

  • 開催中に使えるドライタイヤは7セット
  • 前戦からの持ち越し3セット(開幕戦は合同テスト時の物)+新品ソフト・ミディアムを各2セット
  • 金曜日は持ち越しタイヤのみ使用可
  • 土曜日からは6セット使用可(7セットから自由選択だが、実質持ち越し1セットを返却)
  • Q1ではミディアムのみ使用可
  • 決勝ではソフト・ミディアム両方のタイヤを使わなければならない

※SFタイヤの規定ですが調べるのに一苦労、公式にすらページは無かった。

まとめ

こんな規則じゃ超耐久力ソフトになるのも納得ですね。YOKOHAMAはいい仕事をしているだけです。新品ソフトを1セット追加して、鈴鹿基準でラップタイムデルタを0.5秒増やし、耐久力を100kmとかに設定すれば面白くなるだろう。

 

結論を言えば、タイヤのデグラデーションが無いためにミディアムを使う意味がない、そのために燃料量を軽くスタートする意味も無くなる。

現在のタイヤは単純に作動温度のみの差となる、路面温度37℃程度ではソフトは垂れない。本格的な夏場でどうなるかってなところでしょう。

 

せっかく世界から注目されるドライバーが集まっているのだから、レースとして意味のあるピットイン&タイヤ規定にしてもらいたいものです。