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F1の2022年のレギュレーション大改革へ向けて、色々な情報が公開されています。

2019年6月に正式決定する予定ですが、10月との噂も浮上しております。規則上は6月でなければならないが調整次第で10月になるとの事。10月の方が研究予算の無いチームにとっては都合が良いみたいな話もあります。

 

一度F1より発表されていたコンセプトとはかなり違った形のエアロコンセプトマシンが「RACECAR ENGINEERING APRIL 2019」に公開されていました。

これはFOMのワーキンググループによってつくられた9回目のコンセプトモデルであり、開発プロセスをスピードアップするために、CFDを実行するチーム間で分散されています。データが完全に共有されている場合、チームがこの車をCFDテストする時間を無制限に許可されています。

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2022年コンセプトマシン

 

https://motorsport.tech/

一番目を引くのがフロアですね、前方に大きな開口部を設けて、ディフューザーもかなり大型化される見込み、ディフィーザーとリアタイヤとの間にはスカートも取り付けられる予定。

F1マシンとして一番差のつく部分であるフロアへの気流制御、リアディフューザーの天敵であるリアタイア乱流から守るスカートを導入して、各チームのフロアダウンフォースを均一にする狙いがある。

https://www.f1technical.net/
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フロントウィングのフラップはノーズまで延長され、Y250ボルテックスを排除する。フラップ数は2019年に先行導入されている5つが維持されるのか3つになるのかは不明です。

フロアダウンフォースは負圧の発生ポイントである、前方入口部分と平面部分境目、平面からディフューザーに繋がる境目を守る様に大きく覆われる形になる。リアディフューザー効果を上げるリアビームウィングを復活させる。

バージボードは無くなり、その他の空力パーツと見なされるものは極力排除するようです。空力規則としては2009年に施行されたものに近い。

全体的な寸法としては、全幅が50~100mm減少(現行2,000mm)、ホイールベース最大値3,550mm(現行約3,700mm)などが予定されている。

※2019.6.5 ホイールベース最大値は3,600mmとなるらしい。

2022年共通パーツ

https://motorsport.tech/

上図に示されるものが共通パーツの一覧となる、この他にヘイロー、そしてギアボックスのカートリッジが共通化となる。ギアボックスは7速でギア比は固定となります。

※2019.5.25 共通ギアボックスは廃案が決定!

タイヤはホイールが13⇒18インチになり、外径は670⇒720mm、フロント幅305⇒270mm、リア幅は405mmが維持されます。

これによりタイヤのサイドウォールは169.9⇒131.4mmとなり、ダウンフォースによる変形が減少します。

2019年現在の最低重量は743kgですが、共通パーツの導入により+50kgほどが見込まれています。

まとめ

2022年の空力レギュレーションは、フロアダウンフォースが主な焦点で、積極的に利用していこうという見解が示されていますね。

ドラッグが少なく、前走者の影響を受けにくいフロアダウンフォースの増加や安定はバトルに必要な要素となる。

現行モデルのCFD実験では前走者がいる場合50%のダウンフォースを失うらしい、このコンセプトモデルは5%だという事です。

 

リアウィングは上部ウィング面より上の翼端版をなくして、渦流の発生を抑えている。フロントウィングは幅広のままっぽい、私の美的感覚では全幅より縮めてほしいなと思っているのですが・・。

 

共通パーツは、チーム格差をなくすためには良い措置だとは思うのですが、パーツ供給契約のあるチームにとっては出費増です。加えて信頼性が高く重量も増すパーツを使うため最低重量を増加させる事は好ましくない。

軽やかなフォーミュラーカーから、どんどんかけ離れていく重量増には本当に懸念しかないです。

 

何より求めたいのは、レギュレーションの安定です。

ここ2回はたった2年間で変更になっている。安定した規則がチーム格差を無くす事ができる一番の特効薬だと思う。