2019年のF1はドイツGPで11戦目となりシーズンの折り返し地点となりました。

開幕から色々なアップデートが行われてきたが、ここにきて中団グループのアップデートが一気に進み、これまでトップチームが投入してきたソリューションを取り入れるチームが増加傾向にある。

やっと自社のCFDや風洞実験を経て、シミュレータによる確認とパーツ製作まで至ったというところ。予算の少ないチームによる他車のアイデアを真似るF1の醍醐味がいよいよ本格化したと感じるドイツの木曜日です。

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トロロッソ:バージボードとフロア

ウィリアムズ:バージボード・フロア

ハース:バージボード

レーシングポイント:サイドポンツーン・ミラーなど

メルセデス:サイドポンツーン周辺・クーリング対策後部

レッドブル:チムニーダクト

まとめ

バージボードの高さ制限ギリギリにウィング状のパーツを投入するチームが一気に増加している。レーシングポイントも面積が少ないが取り入れている。これはフロントタイヤ後ろに発生するウェイクと呼ばれる乱流を整流する効果に期待できる。

レーシングポイントは大型アップデートとの噂通り、サイドポンツーンを絞り込みセンタークーリングを増加させた。

メルセデスはクーリング対策と共にミラーや各部の細かいアップデートを投入しており、追いすがるフェラーリやレッドブルを更に引き離そうとしている。

レッドブルはメルセデスの十八番ともいうべくチムニーダクトをまさかの投入、クーリングに対して万全を期する。

 

今までのレッドブルのアップデートを見ていて気付いた点だけど、基本はフロントウィングを極力変えずにその後ろ側を変えていく手法が定跡なのだが、今年は各部を同時進行しているような印象を受ける。

前後ウィングによるダウンフォースの増加とレース燃料制限110kg(+5kg)によるエネルギー増加は、各チームのドラッグとパワーのバランスを根底から覆したと言えるのだろう。フェラーリのようなロードラッグコンセプトは勝てない事が証明されており、中団チームにもそれが浸透した事が、アップデートの全体像からわかる事です。

 

ドイツとハンガリーは連戦となりその後夏休みとなるため、この段階でアップデートを投入する事の利点は大きく、テスト的な意味合いと今後のセッティングの方向性を決める上で最良のタイミングとなるでしょう。