ベルギーGPではバンドーンにPU交換が2回、ギアボックスも交換して65グリッド降格を選択したマクラーレンホンダは、ペナルティのないアロンソをなんとか入賞させようと努力しましたが実りませんでした。

予選ではバンドーンを犠牲にしてスリップストリームをアロンソに与えるチームワークを見せたりとマクラーレンとしては出来る限りの事をしたと思います。

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ベルギーGP予選タイム差+2.537秒

ドライバー s1 s2 s3 タイム ギャップ
1 ルイス ハミルトン 30.096

338KPH

44.173

211KPH

28.284

227KPH

1:42.553
11 フェルナンド アロンソ 30.549

337KPH

45.471

210KPH

29.070

225KPH

1:45.090 2.537

スパ・フランコルシャンは1周7.004km、全開率70%、各セクターなどは以下のコース図になります。

https://www.formula1.com/

昨年はQ3までいったバトンが1.370秒差だったんですが、今年は2.5秒で+1.2秒も差が開いています。

特にセクター2のコーナー区間で1.3秒も離されています。ダウンフォースを削ってセクター1,3を速く走らそうとした結果ですので仕方ないですが、ウィングセッティングはトップ3チームと比べると湾曲型では無い分若干面積が少ないと感じます。

各セクターの通過速度は変わりないですが加速力には相当の差があります。パワーが無い分ウィング角度を付けれない、そのためセクター2が遅い。加えて空気抵抗の無いダウンフォースが足りない事も要因にあります。

ベルギーGP決勝タイム差+57.078秒

14位完走したバンドーンとハミルトンの差がこの57秒ですが、セーフティーカー明けの残り10周でついた差です。

 

第2スティントのウルトラソフトタイヤでのラップは約2秒ぐらいの遅れですんでいます。(ハミルトンはソフト)最後尾スタートだったため実際はもう少し上のポジションでは戦えたはずです。

アロンソはリタイア直前まで常に約3.5秒遅れのラップタイムで走っています。SCがなければハミルトンは49秒台フラット付近のタイムで延々走っていたでしょうし、アロンソは52秒中盤のタイムでの走行が続いたでしょう。

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決勝終了後の長谷川さんのコメントでもレースペースの課題が上げられています。

長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者

「ポイント獲得のチャンスはあっただけに、ハンガリーに続く入賞に至らず、残念な一日になりました。

フェルナンドは素晴らしいスタートを決めたものの、その後は苦しい展開が続きました。最終的にはマシンに異常があるという彼からの無線を受けたため、予防的措置としてリタイアを決めました。なお、データ上ではPUに一切異常は見つかっていません。

母国グランプリとなったストフェルは後方から粘り強くレースを続け、いくつかの素晴らしいオーバーテイクを見せるなどいいレースを続け、順位を上げて行きましたが、ポイント獲得には至りませんでした。

全体としては、予選でまずまずのペースを見せられた一方で、レースペースにはまだ課題があることが浮き彫りになった週末でした。このままここで立ち止まっているわけにはいきませんし、次なるアップデートを少しでも早く投入すべく、開発を加速させて行きたいと思います」

イタリアGPに向けて

次戦イタリアのモンツァは全開率が72%と言われています。ダウンフォースは各チーム最小となるため、レスダウンフォース状態での車体のグリップレベルの強さが測れるコースとなります。

レースはどうしようもないでしょうから、入賞の可能性があるシンガポールに向けてPU交換の場にするのが得策でしょう。

確実に何十馬力もアップしたスペック4の投入が待たれます。