レッドブルホンダの快進撃が始まった!そして始まったと思ったら優勝してしまったからビックリした訳ですが、フロントウィングを変えたら全体が綺麗まとまった。フェルスタッペンがフロントとリアが繋がったと表現するほどに良くなってしまったんです。

イギリスGP予選の各ターンの速度をグラフにしてみました。

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イギリスGP予選スピードデータ

「F1 Honda TopGap」で取り上げた5人の予選比較です。

https://www.formula1.com/
SPD F T1 T1B T3 T3B T4B S1 T6 T6B T7B T9 T10 T11 T13B S2 T15 T15B T16 T16B F
BOT 257 296 289 294 120 99 311 313 177 124 301 308 300 232 274 328 250 282 107 254
LEC 259 300 293 292 126 88 317 321 167 112 305 312 299 217 273 333 234 284 104 255
VER 258 300 293 295 118 92 316 319 162 119 305 311 302 233 275 331 240 288 104 249
RIC 260 303 297 296 118 95 322 324 161 111 309 316 300 209 271 335 220 285 107 258
ALB 256 295 288 289 118 90 316 318 161 115 298 305 295 218 270 332 225 283 106 252

※各ターン手前の最高速度、ターンボトムスピード(B)、セクター通過速度

POS ドライバー S1 S2 S3 タイム Gap
1 BOT 27.466 34.408 23.219 1:25.093
3 LEC 27.366 34.487 23.319 1:25.172 0.079
4 VER 27.507 34.516 23.253 1:25.276 0.183
7 RIC 27.588 35.051 23.543 1:26.182 1.089
9 ALB 27.746 34.987 23.612 1:26.345 1.252

シルバーストンのフルスロットルターンは1、2、5、8、9、10、11、18です。

メルセデスはほぼ全部のストレードエンド最高速度で、レッドブルやフェラーリに負けています。ドラッグが多く強力なダウンフォースを発生させていますので、特に低中速で回り込むターン3,4や6,7で速い、そして高速コーナーであるターン15がずば抜けて速いです。

レッドブルは基本的にドラッグは少なめ設定、リアウィングはかなり薄い仕様でした、それが低速コーナーでは大きな差になっています。加速勝負においてはドラックを削るしか手立てがない現状なので、そのあたりの辛さがよくわかると思います。

一度速度がのってしまえば、ダウンフォースが増加して安定、シルバーストンの名物高速S字マゴッツ (Maggotts) – ベケッツ (Becketts) – チャペル (Chapel) の通過速度が高くハンガーストレートへのアプローチが最速です。その先のストウ (Stowe) もメルセデスほどではないが速い。

この特性があったからこそストウでフェラーリに仕掛ける事が出来たのです。

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メルセデスやレッドブルがボトムスピードに達し直ぐに加速していくのに対して、フェラーリはボトムキープ時間が若干長い、ルノーやトロロッソはかなり長いです。

しかし、このルノーの直線番長っぷりには驚くね、コーナーはどうでもいいわ的なマシン作りはとてもワークスとは思えない設定。

ルクレールの走りはちょっと変わっていて、切り返しのターン3,4と6,7で一つ目を高い速度で入って2つ目で遅いんだね。途中にある短いアクセルオン時間を省くようなスタイル。アベレージスピード重視では無くて、車の向きを早めに変えてアクセルオン、フェラーリの今の特性を発揮させる走り方は上手だ。

その分レースではパワーセーブモードのためと、タイヤを早く痛めてしまうためにペースが悪くなってしまう。フェラーリが勝てるのはいつになるのかな?ホッケンハイムではこのストレートの加速スピードは脅威になるだろうね。

レッドブル新フロントウィング考察

優勝記念でも触れたフロントウィングですが、他のチームとは全く違った設定に驚きを隠せない。

フロントウィング上面にあったカスケードで作り出していた強力なアウトウォッシュを、どう取り戻すのかが2019年の焦点だったわけですが、ほとんどチームが上面エンドプレート側(緑〇)を低くする事で作り出そうしている中で、レッドブルは下面のストレーキ(紫〇)の空気量を増加させて、ボルテックス効果を増加させてるようなデザインに見える。

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このストレーキは今年から2に規制されているもの、マシン中心線から角度10°を超えない事が義務付けられている。エンドプレートは15°を超えないとなっており、この合計3つの垂直状のパーツを使い外側に向けたボルテックスを作り出すのだろう。

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マクラーレンは外側のストレーキを短く設定するアップデートをイギリスGPに持ち込んでいる。外側へボルテックスが流れやすそうなデザインです。ニューウェイさん多分これを見ていたのだろうね。

 

ボルテックスを伴ったアウトウォッシュは、フロアやリアディフューザー効果を安定させる。特にレッドブルの場合は高レーキ角セッティングにより横風などによりリアディフューザーの負圧が乱されやすいので、車の両サイドを流れるボルテックス効果により安定したと思う。

車の両サイドを流れるボルテックスは空気の壁のようなもである、速度の上昇に伴いその回転する気流は強くなり、乱流からマシンを守ってくれる。中高速コーナーが速くなった事の裏付けになるのではないかと思います。

JAFに2019年F1規定日本語版がアップロードされていました。リンクはこちら