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2018年度の「F1 Honda TopGap」にお付き合い頂きありがとうございました。2019年度よりホンダはワークスのトロロッソに加えて準ワークスであるレッドブルが加わります。

位置づけとしては無償ワークス契約はトロロッソ、有償カスタマーがレッドブルとなる訳ですが、これは単純に契約上の事でありレッドブルが事実上ホンダとしては1番に考えている事は言うまでもない事だと思います。

エントリーリストでは「レッドブル・トロロッソ・ホンダ」と「アストンマーチン・レッドブル・レーシング」となります。ホンダがレッドブルに供給するに辺り問題となっていたのは、マシンにアストンマーチンとホンダのロゴが入る点で、アストンマーチン側とホンダ側でお互い競合する車種がないので問題ないとの調整がされています。(今までのニュースや経緯からの私的な見解ですがまず間違いありません。)

さて来季への期待はもちろん優勝ですが、現状の把握しておく事も重要。今回はトロロッソに加えレッドブルの現状も一覧にしました。

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2018年トップギャップ一覧

GP サーキット トロロッソ レッドブル
Q Qgap R Rgap Q Qgap R Rgap
AUS アルバート・パーク 16 3.368 15 1lap 4 0.715 4 7.069
BRN バーレーン 6 1.371 4 62.234 5 0.440 R R
CHN 上海 15 2.700 18 66.330 5 0.701 1 0.000
AZE バクー市街地 17 2.998 10 18.030 4 0.413 R R
ESP カタロニア 12 2.290 12 2lap 5 0.643 3 26.873
MON モンテカルロ市街地 10 1.411 7 24.331 1 0.000 1 0.000
CAN ジル・ヴィルヌーブ 12 1.823 11 1lap 3 0.173 3 8.360
FRA ポール・リカール 14 2.418 14 1lap 4 0.676 2 7.090
AUT レッドブルリンク 12 1.744 11 1lap 5 0.710 1 0.000
GBR シルバーストン 14 2.451 13 39.129 5 0.710 5 9.500
DEU ホッケンハイムリンク 17 2.537 10 34.197 4 0.610 4 7.654
HUN ハンガロリンク 6 1.933 6 73.273 7 2.374 4 46.419
BEL スパ・フランコルシャン 11 2.343 9 105.892 7 1.053 3 31.372
ITA モンツァ 9 2.230 14 1lap 5 1.214 5 18.208
SIN マリーナベイ 15 3.599 13 1lap 2 0.319 2 8.961
RUS ソチ・オートドローム 13 3.239 R R 11 1.661 5 31.016
JPN 鈴鹿サーキット 6 2.088 11 1lap 3 1.089 3 14.295
USA COTA 13 2.613 9 1lap 5 1.257 2 1.281
MEX エルマノス・ロドリゲス 14 1.923 10 2lap 1 0.000 1 0.000
BRA インテルラゴス 10 1.335 11 1lap 5 0.497 2 1.469
UAE ヤス・マリーナ 16 3.200 12 1lap 5 0.607 3 12.706

※トロロッソの決勝レースにおけるダブルリタイアはロシアのブレーキトラブルのみ。

トロロッソとレッドブルのタイム差

GP サーキット トロロッソ Qtime gap レッドブル
2017Q 2018Q 改善度 2017 2018 2017Q 2018Q 改善度
AUS アルバート・パーク 84.997 84.532 0.55% 1.512 2.653 83.485 81.879 1.92%
BRN バーレーン 90.923 89.329 1.75% 1.378 0.931 89.545 88.398 1.28%
CHN 上海 94.034 93.795 0.25% 1.001 1.999 93.033 91.796 1.33%
AZE バクー市街地 103.186 104.496 -1.27% 1.307 2.585 101.879 101.911 -0.03%
ESP カタロニア 81.371 78.463 3.57% 1.665 1.647 79.706 76.816 3.63%
MON モンテカルロ市街地 73.162 72.221 1.29% 0.666 1.411 72.496 70.810 2.33%
CAN ジル・ヴィルヌーブ 73.690 72.635 1.43% 1.287 1.698 72.403 70.937 2.02%
FRA ポール・リカール 92.460 1.755 90.705
AUT レッドブルリンク 65.544 64.874 1.02% 0.648 1.034 64.896 63.840 1.63%
GBR シルバーストン 90.355 88.343 2.23% 2.225 1.741 88.130 86.602 1.73%
DEU ホッケンハイムリンク 73.749 1.927 71.822
HUN ハンガロリンク(FP3) 78.311 78.139 0.22% 1.514 1.336 76.797 76.803 -0.01%
BEL スパ・フランコルシャン 105.374 103.844 1.45% 1.994 1.290 103.380 102.554 0.80%
ITA モンツァ 98.245 81.350 17.20% 2.132 1.017 96.113 80.333 16.42%
SIN マリーナベイ 101.826 99.614 2.17% 2.012 3.280 99.814 96.334 3.49%
RUS ソチ・オートドローム 95.827 94.383 1.51% 0.922 1.335 94.905 93.048 1.96%
JPN 鈴鹿サーキット 90.413 89.810 0.67% 2.107 0.961 88.306 88.849 -0.61%
USA COTA 95.529 94.850 0.71% 1.952 1.356 93.577 93.494 0.09%
MEX エルマノス・ロドリゲス 78.683 76.682 2.54% 2.159 1.923 76.524 74.759 2.31%
BRA インテルラゴス 70.625 68.616 2.84% 1.700 0.838 68.925 67.778 1.66%
UAE ヤス・マリーナ 99.724 97.994 1.73% 2.765 2.593 96.959 95.401 1.61%

※トロロッソは得意にしていたはずの市街地戦で遅くなってしまっている。起伏の激しいコースにはめっぽう弱かったという事です。

トロロッソのエンジン変更は成功か?

昨年は両チームともにルノーPUだった訳ですが、今年トロロッソはホンダPUとなっています。

トロロッソがレッドブルとの予選タイム差を縮めたグランプリは、上の表の赤字部分で11回あります。PU交換ペナルティにより本気のタイムアタックをしなかった事もあったので、半分以上は差を縮めている事になります。

特に注目すべき点はいわゆるパワーサーキットと言われるところで確実に差を縮めている事です。これはホンダのパワーがタイム短縮につながった事を示すでしょう。

 

車体のアップデートが前半戦で出来上がったレッドブル、中盤戦以降アップデートが迷走したトロロッソでは各グランプリに対する準備やセッティングに対する理解度が格段に変わります。それでいて後半のスペック3を本格稼働させた鈴鹿以降5戦すべてで差を縮めている事は、称賛に値する記録です。

決勝での結果が悪いのは、予選で示したスピードを決勝で維持できないためでそこが課題。

コンストラクターズ8位⇒9位となってしまったトロロッソですけど、ホンダのせいという部分ももちろんあるが、マシンのポテンシャルが無かった事とドライバーが二人共に新人だった事も大いに関係するだろう。

2019年ホンダ4台体制への期待

ホンダが投入したスペック3は2019年用の試作機との見解もあり、完全なマイレージチェックをしない状況での前倒し投入となっていると思います。スペック2ではほとんどトラブルらしいものは出ていなかったが、スペック3では色々と問題が発生している。

信頼性やマイレージを度外視したエンジンモードを使用して、とにかくパワーを出してタイムを短縮しようとした試みは評価したい、来季はこれを常時展開できる仕様になっていれば良い。

 

ターボエンジンの肝であるタービンの専門会社であるIHIとの技術提携は大きな力となる。燃料流量が最大100kg/hとなっている規定は10,500rpm以上において排気ガス成分が増加しない事を意味している。少ないガスで効率良く回るタービンの開発は現行PUにおいてパワーアップに欠かせない技術です。

 

車体の方に目を向けると、来季トロロッソはレッドブル製ホンダPU用ギアボックスをはじめとする同一パーツの使用を推し進める。ギアボックスの長さはホイールベースに直結するのでトロロッソの主なスペックはレッドブルと同等にしなければならない。

重量バランスなど色々な部分でレッドブルの哲学が注ぎ込まれるトロロッソには期待がかかるが、空力パーツは独自開発でなくてはならないので、はいそれと同じスピードを出す事はできない。それでも今年より悪いという事はないだろう。

 

ホンダは4台走らせる事でデータの収集力は2倍となる、開発のスピードアップにつながる事が最大の利点。

ホンダはこの2チームのために信頼性を重視したエンジンを供給して、2006年以来の勝利に向かって突き進んでいってもらいたいです。

そして4年間待ち焦がれているファンに夢を与えて下さい。