2017年のF1空力性能向上改革は、私的には大成功だったと思っています。特に見た目がワイドになり視覚的な意味でマシンはカッコよくなりました。

https://www.formula1.com/

しかしながら弊害で前走するマシンからのタービュランス(乱気流)の影響が大きく、コースによっては周回遅れにさえ近づく事が出来なくなるケースもありました。

約2秒後方にいるだけで、その影響から自身のダウンフォースを失いタイムペースを維持できなくなっています。周回遅れに対する警告は1回目が3秒差になった時、正式な警告(2つのコーナーをクリアする前に確実に譲る)は当初は1秒差でしたが1.2秒差になっています。

とにかく前走者に近づいてバトルやオーバーテイクできない状態になる事が、近年の空力追求型F1マシンの課題となっている。

 

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FOMの空力専門家が2017年マノーCFDモデルを使用

2017年マノー風洞モデルとスタッフ

ロス・ブラウンはマノーF1チームの2017年型CFDモデルを利用していると明かした。新しいレギュレーションの策定を目指しているFOMのブラウンはさまざまなリサーチを行っており、その一環で専門家によるチームを作り、空力面の研究を進めている。

ウイリアムズ空力部門で責任者を務めた経験を持つジェイソン・サマービルが率いるこのチームは、マノーの2017年型マシンのデータを取得、研究に利用している。今後は既存チームから2017年マシンについてのCFDデータの提供を受けることも決まっているという。

ロス・ブラウンのコメント

「マノーの2017年型マシンのジオメトリーを購入した。CFDモデリングにおいて、少なくとも基本データは得られるよう、一般的なモデルを使いたかったのだ」
「マノーのマシンが最先端でないことは分かっているが、2017年の形状ではあるので、役に立つ」

「2台のマシンを一緒に走らせるという形で、初期的作業を行っている。今シーズンも終わったので、(既存)チームがそれぞれの2017年型マシン(のデータ)を提供してくれる。そうすればより現実に近いモデルを得られるようになる」

「各チームとは秘密保持契約を結んだ。これに基づいて彼らは、我々のCFDプログラムで使用するための、より現実に近いモデルを提供してくれる」

「我々の組織は75パーセント出来上がっている。年明けに何人か加わる予定であり、すべて順調だ」

「来年早い段階で、我々のプランについてお知らせすることができると思う」

チームは風洞やCFDについて厳しい制限があるため。FOMは最先端のCFDツールと技術を上限なく活用することで、タービュランスによる悪影響を最小限にとどめ、バトルがしやすい空力の条件を探ろうとしている。

「チームはCFDの技術とキャパシティに関し、レギュレーションで制約を設けられている。しかし我々にとって興味深いのは、我々にはそういった制限がないということだ」

「チームはCFDをどれだけ使用できるか、どのようなプロセスを利用できるかについて、非常に厳しく制限されている」

「我々にはそれはない。それによって、F1やこの世界の今の状況について、わずかなりとも何か見えてきたことがある。CFDに関しては、今の世界はF1を大きく先んじている」

「つまり、我々はどのF1チームをも大幅に上回るキャパシティと、必要なことをするための能力を備えて、研究にあたっているというわけだ」


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まとめ

F1運営側がこのような動きをするなんて予想外でした。レギュレーションの改変はFIAとFOMとチームの代表が参加する会合で行ってきましたが、どこも自分の事しか考えていないような要求の出し合いで単なる政治的駆け引きの場でしかない。

2021年より施行されるエンジン規則についても、フェラーリやメルセデスはあからさまに拒否しているし、チーム側の強さでレギュレーションを決めなければならない現状はどうにもよろしくない。

 

FOMが自ら研究しデータを各チームに公表する事で、新しい空力規定は良いものになるかもしれません。こんな事はF1史上初の事なんでどうなっていくのか非常に興味深い。

F1チーム側に長らくいたブラウンだからこそ思いつく発想だなぁっと関心です。

オーバーテイクが減ったから面白くないとかは私は一切思いませんけど、速いペースの車が確実に抜けるレースも超面白くないでしょう。抜くための駆け引き(バトル)が一番面白い。

この研究や計画が上手く進めばDRSなしでのバトルが楽しめるかもしれませんね。