F1を見るうえで知っておきたいもっとも重要なタイヤに関する事を書いていきます。これはF1初心者向けな知識で実況や解説でよく出てくる用語についてリポートします。

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レーシングタイヤのグリップ

F1のみならずレーシングタイヤ全般に言える事ですが、レーシングタイヤは路面との摩擦熱で表面が溶けてベトベト状態になります。そのベトベトによって路面に張り付きグリップする仕組みになります。

身近でわかりやすいもので言うとガムですね、あれが靴の裏に張り付いた事があると思います。取れませんよねガム。あんな感じでタイヤが路面に張り付く事で強力なグリップ力を生み出しています。

一方、私たちがいつも乗ってる車のタイヤは、路面の細かい凹凸にタイヤが変形し嚙合わせることでグリップします。レーシングタイヤとは根本的に違うものになります。

F1タイヤの種類

F1ではタイヤの種類が7種類あります。ドライ用タイヤが5種、レイン用タイヤが2種です。

https://twitter.com/pirellisport

ドライタイヤ(スリック)は溝の無いタイヤで、そのゴムの硬さにより区別され「ウルトラソフト、スーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハード」となりウルトラソフトが一番柔らかいタイヤとなります。柔らかいタイヤはゴムが柔らかく路面への張り付き力が強くなりますが、その分早く性能低下が起こります。

レイン用タイヤ(溝付き)は浅い溝付きが「インターミディエート」、深い溝付きが「ウェット」となっています。雨量によって使い分けます。

表面温度

F1タイヤの表面温度は走行中120℃~140℃にもなります。この温度になることでタイヤがベトベト状態になり強力なグリップ力を生み出します。スタート直後にアクシデントが多いのは、まだタイヤが温まっていなくグリップ力がまだ発揮されていないからです。ドライバーは温まった状態でのグリップ力を体で覚えているので誤ってオーバースピードになってしまいアクシデントを起こしてしまいます。

作動温度領域

作動温度領域とはタイヤが適したベトベト状態になる温度の事を示しています。「タイヤをうまく作動できなかった。」とよく耳にしますが、2016年のピレリタイヤはこの温度の幅が極端に狭かったようです。たったの2、3℃の差だったとも言われています。2017年からはこれを改良してその幅を広げています。

F1タイヤの性能低下と摩耗

F1タイヤは使えば使うほど性能が低下していきます。表面のゴムが減っていき速く走る事が出来なくなっていきます。その為、レース中にピットインしてタイヤ交換を行います。近年タイヤ交換作業の停止時間は約2秒と驚異的速さで作業が行われます。

デグラデーション

F1タイヤはベトベトになり路面に張り付くため、路面側にゴムが張り付いて取れてしまいタイヤが減っていきます。減ったタイヤは段々とグリップ力が落ちてきて速く走れなくなります。その性能低下を「デグラデーション」又は略して「デグラ」と言います。特定のサーキットで「ソフトのデグラは0.2秒」と聞いたりしますが、ソフトタイヤでは1周あたり0.2秒づつラップタイムが落ちるとの意味になります。

グレイニング

タイヤの表面のゴムがささくれた状態になる事で、主にタイヤが作動温度に達していないときに無理をして走る事で起こります。タイヤの表面が平らでは無くギザギザになるため設置面積が減りグリップ力が低下します。

ブリスター

グレイニングとは逆に温度が高すぎるときに起こる現象で、タイヤにある空気や油分が破裂して陥没してしまいます。設置面積が減るのでグリップ力は低下してしまいます。陥没は状況によって広がっていくので更なる性能低下を生み出してしまいます。

フラットスポット

ブレーキングにてタイヤをロックさせてしまい一部分だけ平らに削れてしまった部分の事を「フラットスポット」と言います。円状では無くなったタイヤは振動を起こしマシンやドライバーに悪影響を及ぼします。一度できたフラットスポット部分は、タイヤがロックしやすくなりブレーキ性能低下に繋がります。フラットスポットはタイヤの摩耗によって改善する事があります。

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サーキットの路面について

サーキットの路面は、一般道に比べると凸凹が荒く作られていて路面抵抗が大きいです。この荒い路面のおかげてグリップ力が上がりますが反面タイヤの摩耗が早くなります。

摩擦係数μ(ミュー)と組み合わせて表現される事が多く、よく聞くフレーズで「このサーキットは路面μが低いからタイヤのデグラは低い」などと組み合わせた表現が用いられます。

ラバーがのる

F1タイヤは路面に張り付いて剥がれていきますが、それが路面に付着して路面自体の摩擦力が上昇していきます。ドライバーは同じような走行ラインを通るのでその部分だけは「ラバーグリップ」が上昇して速く走れるようになります。またラバーがのった路面はタイヤの摩耗度合いが低下し、タイヤ持ちが良くなる事があります。

予選でなるべく最後にアタックラップをする事によりタイムを短縮できる可能性が高くなるので、時間ぎりぎりでのポジションの奪い合いに緊迫感が生まれます。

アンダーカットとは?

アンダーカットはタイヤ交換の戦略の一つです。アンダーカットは直訳すると「下の切る」となってしまいますがF1では「低下していくラップタイムを切る」と言う意味で用いられたと思われます。

タイヤは使い続けると摩耗して性能低下するので、前走者を抜くために相手より早く新しいタイヤに交換してラップタイムを上昇させて走ります。その間相手は性能低下しているタイヤで走っているのでラップタイム差は大きくなります。相手がピットアウト時に相手より前にでていた。これでアンダーカット成功となります。

オーバーカット

アンダーカットとは逆に、コース上にとどまり相手より遅くピットインして抜く戦略です。様々な状況で使う作戦ですが自分のペースが速く、相手がタイヤ交換してもペースが遅い時などに成功します。相手のペースが遅くなる事例としてはタイヤをうまく作動できない時やピットアウト後に遅い車の後ろになった時など状況は様々です。

 

最後に

タイヤに関する事は、まだまだ数多くあります。奥が深い世界ですので自分で作戦を考えながらレースを見ると面白くなります。2017年のタイヤはデグラデーションが少なく摩耗も少なくなりそうなため作戦も少なくなりますが、必ず1度はタイヤ交換があるので注目しましょう。

グランプリでのタイヤルールなどはこちらの記事で紹介しています⇩

F1グランプリのタイヤルールとレギュレーション